auの「povo(ポヴォ)」が基本料0円の新プランを投入! 楽天モバイルやLINEMO潰しか?!

auの「povo(ポヴォ)」は月20GBで月額2,728円とお得なプランを提供していたが、2021年9月下旬より基本料金を0円とし、データ通信量や電話かけ放題などを自由にトッピングできるプランに変更する。これにより、月3GBのプランなら月額990円という低価格でも利用できるようになるのだ。これはライバルよりも微妙に安い料金で「楽天モバイル」や「LINEMO」潰しとも言える。そこで今回はpovoの新料金プラン「povo2.0」について詳しく解説しよう。

「povo」は9月下旬から基本料0円、月3GBで月額990円に!

(Image:povo.k-digitallife.com)

 2020年12月にドコモが「ahamo(アハモ)」を発表して以来、auは「povo(ポヴォ)」、ソフトバンクは「LINEMO(ラインモ)」で追随し、3大キャリアはすべてデータ通信量が月20GBで月額3,000円以下の格安新プランを提供することになった。これに対し、最後発の「楽天モバイル」は月1GB以下は0円、月3GBで1,078円、20GB以上は無制限で3,278円という「Rakuten UN-LIMIT VI」プランで対抗し、2021年8月時点で契約者数は500万回線を突破している。

 確かに、ahamo、povo、LINEMOは月20GBで月額3,000円以下なので、従来の3大キャリアの料金に比べればかなりお得だが、そもそも月20GBもデータ通信量が必要ないライトユーザーにとっては、あまりお得ではなかった。

 そこで、2021年7月15日、ソフトバンクの「LINEMO(ラインモ)」は、月20GBで月額2,728円の「スマホプラン」とは別に、月3GBで月額990円の小容量プラン「ミニプラン」を開始した。詳しくは→こちらで確認してほしいが、今回のpovoの料金プラン刷新は、これに対抗するものである。当然、このあとahamoも同様のプランを用意するはずで、楽天モバイルやLINEMO、そして格安SIMは、さらに厳しい戦いを強いられることになるだろう。 

(Image:network.mobile.rakuten.co.jp)

楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」は、月1GBまで0円、月3GBで1,078円、月20GBまで2,178円、20GB以上は無制限で3,278円という段階制プラン

(Image:limeo.jp)

ソフトバンクの「LINEMO」は、月20GBで月額2,728円とは別に、2021年7月から月3GBで月額990円の「ミニプラン」を追加した

(Image:nttdocomo.co.jp)

ドコモも月20GB+1回5分かけ放題込で月額2,970円のahamoとは別に、今後小容量の「Economy」プランを投入することを予告している

 2021年9月下旬から登場する「povo」の新料金プランは「povo2.0」と呼ばれており、月額基本料は0円で、データ通信量やかけ放題など10種類の「トッピング」を自分で選択する方式となっている。

 まず、データトッピングを見てみよう。従来と同じ月20GBは2,700円と微妙に値下げされているほか、ライトユーザー層には月3GBで990円のトッピングを用意する。また、24時間で330円、1週間1GBで390円なども利用できるので、今後は「povo」をサブ回線としてスポット的に利用することも可能となっている。これらは格安SIMにとっては脅威であろう。

 次に注目したいのは有効期限90日(3カ月)で60GBが使えるトッピングが6,490円で提供されること。これは1カ月平均20GB/2,163円になるので、従来のプランよりも565円安くなる。また、有効期限180日間(6カ月)で150GBが使えるトッピングは1万2,980円だが、1カ月平均25GB/2,163円なので、さらにお得になる計算だ。もちろん、これはLINEMOや楽天モバイルより安い価格設定なので、ライバルも黙っておれないだろう。

(Image:news.kddi.com)

新料金プラン「povo2.0」の概要。月額基本料0円でデータトッピングや通話トッピングを自分で追加する方式になっている

povo2.0のトッピング一覧。データトッピングは月3GBで990円、月20GBで2,700円のほか、180日(6カ月)150GBで月額1万2,980円といったプランや1週間1GBで390円、24時間データ使い放題で330円など、バリエーションが豊富

7日間「DAZN」見放題や「ギガ活」サービスにも注目!

 povo2.0では従来どおり通話トッピングも提供されており、5分かけ放題は550円、完全かけ放題は1,650円となる。また、新たにコンテンツトッピングも用意されており、スポーツ専門チャンネル「DAZN」が7日間見放題で760円や、音楽、ドラマ、アニメなどが楽しめるサービス「samash.」は24時間見放題で220円で提供される。毎月定額ではなく、スポットで好きなコンテンツを楽しめるのは、なかなか使い勝手のよいサービスであろう。

 また、povo2.0では「ギガ活」という新サービスも開始される。ギガ活は、対象店舗でau PAY支払いをすることで、ギガ(データ量)をもらえたり、街中やバーチャル空間で探すとギガをチャージできるほか、店舗やネットサービスと連携して抽選でギガが当たったりするサービスで、povoのデータ通信を増やすことが可能になるのだ。

 なお、既存povoユーザーは自ら変更手続きを行わないと、新しいpovo2.0は適用されないので注意したい。

(Image:news.kddi.com)

「ギガ活」では店舗での買い物や抽選、イベントなどでギガ(データ量)をもらうことができる面白いサービス。ゲーム感覚でデータ量が増えるのは楽しいかも!

 いかがだろうか? ahamoや楽天モバイルに比べるとイマイチ影の薄かった「povo」も、このリニューアルで独自のサービスを提供し、ライバルをリードする形とになった。今後はahamoも新プランを投入するとみられており、スマホの新料金プラン争いはますます過熱しそうである。いずれにせよ、ユーザーはこれらの状況を見極めて、賢くスマホのキャリアを選択するほうがよいだろう。

参考元:「povo、日常のお買い物やサービス利用でデータが貯まる「#ギガ活」開始」【KDDI】
●povo(公式)は→こちら
●LINEMO(公式)は→こちら
●楽天モバイル(公式)は→こちら
●ahamo(公式)は→こちら

文=すずきあきら/編集・ライター

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