意外と知らないパソコンの正しい捨て方 – 実際にPCリサイクルマーク付きパソコンを無料で捨ててみた!

アナタの家に古いパソコンは放置されていないだろうか? パソコンはリサイクル対象製品なので、原則、自治体の粗大ごみでは回収してもらえない。だが、もし、パソコンに「PCリサイクルマーク」があれば、パソコンの製造メーカーが無料で回収してくれることになっている。そこで今回は、筆者が実際に古いパソコンをメーカーに回収してもらったので、その手順と注意点を紹介しよう。

PCリサイクルマークがあればメーカーが無料回収してくれる!

パソコンは10年も使えば壊れたり動作が重くなってしまう。アナタの家にも古いパソコンが放置してあるのでは? しかし、壊れていたり古すぎるパソコンは買い取りも難しいし、自治体の粗大ごみでも回収してもらえないのだ。これは困った……。

そんなときは、まず、パソコン本体に「PCリサイクルマーク」がないか探してみよう。2003年10月以降に発売されたメーカー製パソコンなら「PCリサイクルマーク」が貼ってある可能性が高い。その場合は、パソコンの製造メーカーが無料で引き取ってくれるのだ。

PCリサイクルは「資源有効利用促進法」に基づく、家庭で不用となったパソコンを回収・リサイクルする仕組みのこと。不要なパソコンを無料で回収して資源に戻すまでをメーカーが責任をもって行うので安心だ。

ただし、パソコンを無料回収してもらうには、いくつか注意点がある。今回は実際に筆者がドスパラで購入した「PCリサイクルマーク」付きのデスクトップパソコンを無料回収してもらったので、その手順を紹介しよう。

PCリサイクルの大きな流れとしては、まず、メーカーの公式サイトでPCリサイクルを申し込む。すると「エコゆうパック伝票」が送られてくるので、梱包したパソコンに貼って郵便局に持ち込むか、集荷の依頼をしてメーカーに送ればいい。もちろん、お金は一切かからないぞ。

回収してもらう予定のデスクトップパソコン

こちらが今回メーカーに無料回収してもらうドスパラのデスクトップパソコン。10年くらい前に買ったものだと思うが、故障して長らく放置したままだ(筆者撮影)

よく見ると、本体背面に「PCリサイクルマーク」のシールが貼られていた。これならメーカーに無料回収してもらえる!

まずはメーカーの公式サイトで無料回収の依頼をしよう!

もし、パソコンにPCリサイクルマークがあったら、最初に、一般社団法人パソコン3R推進協会の公式サイトを確認してみよう。「家庭で使っていたパソコンを廃棄」を選択し「メーカー名」を探してみる。

●一般社団法人パソコン3R推進協会は→こちら

実はドスパラは「サードウェーブ」という会社なので、サードウェーブを探してクリックすれば、パソコン回収の案内ページが表示される。ただし、ここに会社名がない、あるいは倒産している場合は、残念ながら無料回収してもらえない。

サードウェーブ(ドスパラ)の公式サイトが表示されたら「リサイクルを申し込む」をクリックする。すると申し込みフォームが表示されるので、必要な情報を入力しよう。

氏名、電話番号、住所、メルアド、パソコン製造番号などを入力すればいいが、ひとつ引っ掛かったのが「伝票番号」という項目。そもそも「エコゆうパック伝票」をもらうための申し込みなのに、伝票番号を入力しないと申し込めないとは、いったいどういうことなのか!?

疑問に思った筆者はさっそく電話で問い合わせてみた。すると、「伝票番号」はゆうパックの伝票ではなく、パソコンを購入したときの明細書のようなものに書いてある「伝票番号」だという。

10年以上前の明細書を保管しているわけもなく、結局、そのまま電話でパソコン製造番号から伝票番号を調べてもらうことになった。でも、それができるなら製造番号だけ記入すればいいような気もするが……。

ちなみに、問い合わせ電話番号の「0570」はナビダイヤルという有料サービスで、通話中はずっとサービス料金がかかる。もし、筆者のように伝票番号を問い合わせるときは、IP電話のほうに電話したほうがいいだろう。

というわけで「ご依頼内容の確認画面へ」を押して、入力内容を確認したら「送信する」をクリックすれば申し込みは完了である。

無料回収の依頼手順

(Image:pc3r.jp)

まずは一般社団法人パソコン3R推進協会の公式サイトを開いて「家庭で使っていたパソコンを廃棄」を選択。パソコンの「メーカー名」を探そう

(Image:dospara.co.jp)

サードウェーブのWebサイトでは、PCリサイクルの条件などが表示されるので、確認したら画面を下にスクロールして「リサイクルを申し込む」を押す。その下に問い合わせ先の電話番号も表記されている

(Image:dospara.co.jp)

まずはお問い合わせカテゴリ(1)を「リサイクル」、お問い合わせカテゴリ(2)で「サードウェーブ製パソコン」を選択しよう

(Image:dospara.co.jp)

その下の欄では氏名、住所、電話番号、メルアド、製造番号などを入力して「ご依頼内容の確認画面へ」を押せばいいが、「伝票番号」が何のことかサッパリ分からない……

製造番号はパソコン本体にシール貼りしてあったのですぐに確認できたが、これが剥がれていると伝票番号も分からないという事態に……

エコゆうパック伝票が届いたらパソコンを梱包して発送する

PCリサイクル制度を利用して、パソコンを段ボールなどに梱包する前に注意したいのは、廃棄するパソコンが購入時の状態にあるかどうかだ。

SSDやHDDなどは個人情報保護の観点から取り外してもOKとなっているが、それ以外のパーツは原則購入時の状態を保っているのが無料回収の条件となっている。もし、増設したパーツなどがあれば必ず外すしておこう。

もちろん、他社製ディスプレイはパソコンと同時にドスパラで購入したものであっても同梱してはいけない。また、マニュアルやCD-ROMなどもNGとなっているので注意しよう。

ただし、キーボードとマウスに関しては使用していたものを同梱してもかまわないので、不要なものがあれば同梱していい。

以上の注意点を確認したら、メーカーから届いた着払いの「エコゆうパック伝票」を箱に貼って、最寄の郵便局に持ち込むか、集荷を依頼して発送すれば完了である。

パソコンを梱包して発送する手順

パソコンは、原則、購入したときの状態で返送する必要がある。ただし、SSDとHDDは個人情報保護の観点から取り外しても構わない

段ボールのなかには余計なものは一切入れてはいけないが、キーボードとマウスだけは同梱してもOKだ

こちらが着払いの「エコゆうパック」伝票。土日をはさんだせいもあり、申し込みから到着まで1週間ほどかかった

エコゆうパックの伝票はビニールから出さずに、裏面の粘着シールをはがして(上写真)、パソコンを梱包した箱に貼る(下写真)。あとは、最寄の郵便局に持ち込むか、集荷を依頼すればいい

ノートパソコンなら直接郵便局に持ち込んでもいいし、デスクトップパソコンなら集荷を依頼することもできる。受渡時には伝票の控えを渡され、パソコンの発送は完了だ

実は一部自治体や家電量販店でもパソコンの無料回収は可能!

いかがだろうか? もし、パソコンにPCリサイクルマークがあれば、メーカーで無料回収してもらえるので、本体をよく探してみよう。今回のように目立つシールならいいが、ちょっと分かりにくいものもあるぞ。

ちなみに、平成25年4月に「小型家電リサイクル法」が施行され、一部自治体や家電量販店(エディオン、ケーズデンキ、ジョーシン)などでもパソコンの無料回収を行っている。

もし、PCリサイクルマークがない、あるいはメーカーが倒産してしまったパソコンなどを廃棄したい場合は、自治体や家電量販店で無料回収できないか問い合わせてみよう。

ほかにも、小型家電の宅配回収を行っている「リネットジャパン」を利用するのもオススメだ。リネットジャパンなら、自作パソコンであっても無料回収してもらえる場合がある。詳しくはこちらの記事を確認してほしい。

こちらはノートパソコンの「PCリサイクルマーク」。非常に小さくて分かりにくい表示になっている場合もあるので、よく確認してみよう

(Image:my.edion.jp)

エディオンではフランチャイズ店以外で小型家電のリサイクルを実施している。パソコン以外にもいろいろな小型家電を無料回収してくれるので確認してみよう

●小型家電リサイクル回収ポータルサイト(公式)→こちら
●エディオン「小型家電リサイクル」(公式)→こちら

文=すずきあきら/編集・ライター

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