コミケ第100回(C100)の詳細が明らかに! C99とはどこがどう違うのか徹底解説

2022年6月10日、コミケを主催するコミックマーケット準備会はC100の詳細を発表した。1975年の第1回(C1)から数えてちょうど100回目となるC100は、東京ビッグサイトにおいて2022年8月13日~14日の2日間開催される。今回もC99同様にコロナ禍の影響を受けて規模を縮小して開催されるが、果たして厳しい新型コロナ対策が実施された前回とは、どのようにルールが変わったのだろうか? そこで今回は、C100に参加するためのルール変更や注意点について徹底解説したいと思う。

1975年に始まったコミケはいよいよ第100回を迎える!

(Image:comiket.co.jp)

世界最大規模を誇る同人イベント「コミケ(コミケット・コミックマーケット)」は、ついに記念すべき第100回(C100)を迎える。

今から47年前、コミケは1975年12月21日に批評集団「迷宮 ’75」が中心となって、虎ノ門日本消防会館会議室において第1回(C1)が開催されたが、そのときのサークル数は32、参加者総数もわずか700人(推定)という規模であった。

その後、コミケは順調に参加者を増やしていき、近年では定期的に夏のお盆と冬の年末の年2回開催されてきた。そして、2019年12月28日~31日に4日間で行われたC97では、サークル数3万2,000、出店企業144社、参加者総数75万人を集め、過去最高を記録する。

ところが2020年に入ると、コミケもコロナ禍の影響をモロに受けてC98は中止、続くC99も延期され、その後約2年間にわたり開催できなかったのだ。

2021年12月30日~31日には、2年ぶりに新C99が開催されることになったが、このときは新型コロナウイルス蔓延防止対策を万全にして実施されることになる。

新C99では、まずワクチン・検査パッケージ(検温・ワクチン接種証明書やPCR検査陰性証明書、身分証明者の提示等)が導入されたほか、一般参加者の有料チケット制(本来は入場無料)、2日間の短縮開催、1日当たりの参加者上限5.5万人、サークル数1日約1万に限定、東地区と西・南地区の移動制限、コミケカタログ販売なし、といった異例づくしの開催となった。詳しくはこちらの記事を参考にしてほしい。

果たしてC100ではどのようなルールに変更されているのだろうか? このあと詳しく確認していこう。

※C100では100回記念を盛り上げるためのロゴが作成された。このロゴは使用規約に反しなければ、誰でも自由に使用できることになっている

C99では、事前にチケットを購入しておく必要があり、当日朝は、まず指定場所で検温やワクチン接種証明書かPCR検査陰性証明書の提示、チケットのリストバンド型参加証交換を行ってから、待機列に並んで入場する方式だった(筆者撮影)

C100ではワクチン・検査パッケージは実施せず!

2022年6月10日、コミックマーケット準備会は「コミックマーケット100の開催について(2022年6月10日)」を発表した。果たしてC99とは何がどう変わっているのだろうか?

まず、2022年1月にコミックマーケット準備会が発表した「コミックマーケット100とサークル申込について」では、ワクチン・検査パッケージを導入する予定だったが、今回のC100では、結局実施されないことになった。ただし、マスク着用と検温は引き続き実施される予定。

C99では西・南地区のワクチン・検査パッケージ会場としてTFT横のG1街区が、東地区用には東7ホールが割り当てられた。しかし、C100ではG1街区が使えなくなり、西・南地区は南3-4ホールと西3-4ホールが検温ならびに一般参加者の待機列場所となる。

次に、1日あたりの参加者総数の上限は8~9万人に引き上げられ2日間で16~18万人程度、11万人だった前回よりも参加者総数はかなり多くなる。サークル数に関しては、検温と待機列で南展示棟を使用する関係もあり、C99同様の1日当たり約1万サークルとなっている。

また、C99では午前中に東地区と西・南地区間のブリッジが閉鎖され移動制限が実施されていたが(午後には解除)、C100では最初から自由に移動できることになった。

■C100の概要

開催日:2022年8月13日~14日
開催時間:10:30~16:00
場所:東京ビッグサイト・全ホール
サークル数:約2万サークル(1日約1万)
総参加者数:1日当たり8万~9万人(予定)
一般参加者:事前に有料チケットの購入が必要(当日発売なし)
カタログ販売:あり(冊子版のみ)
ワクチン・検査パッケージ:なし
入場前の検温:あり
マスク着用:あり
検温・リストバンド型参加証交換場所:東地区(東7ホール)/西・南地区(南3-4ホール)
東地区と西・南地区移動制限:なし
企業ブース:あり(南1-2ホール)

●コミックマーケット準備会「コミックマーケット100とサークル申込について」→こちら
●コミックマーケット準備会「コミックマーケット100の開催について(2022年6月10日)」→こちら

■東京ビッグサイトの展示ホールの使用形態

ホール 使用形態
東1~6ホール サークルスペース
西1~2ホール
南1~2ホール 企業ブース
西3~4ホール 一般参加者待機列場所
南3~4ホール 西南地区側の一般参加者検温等確認、一般参加者待機列場所
東7ホール 東地区側の一般参加者検温等確認、宅配便荷受け、東地区コスプレエリア
東8ホール 東地区コスプレ更衣室
会議棟1F 西南地区コスプレ更衣室
屋上展示場・庭園 西南地区コスプレエリア

C99における南1サークルスペースの様子。通常のコミケに比べるとサークル数や一般参加者が少ないので、明らかに人口密度が低いのが分かる(筆者撮影)

C99では午前中に東地区と西・南地区の連絡ブリッジが閉鎖され、両方の会場を自由に行き来することができなかったが、C100では最初から通行可能となる(筆者撮影)

C100ではほかにも前回と異なる部分がある。まず、入場時間が10時30分と通常より30分ほど遅くなっている。

次に、一般参加者の入場方法については、C99同様に事前にチケットが販売され、申込数が販売予定数を超えた場合は抽選となる。チケットの申込開始は7月上旬頃で、詳細は6月25日頃に発表される予定だ。

チケットの種類も前回同様に、東地区向けと西・南地区向けに分けられ、それぞれに「アーリー入場チケット」「午前入場チケット」「午後入場チケット」の3種類が、日ごとに販売される。

ただし、C100では会場を東地区と西・南地区に分けて管理しないので、どのチケットでも自由に各地区への行き来が可能。たとえば、企業ブースに朝イチから行く場合は西・南展示棟向けのチケットが必要となるが、その後、東展示棟向けのチケットでも企業ブースに行くことは可能となっている。

ちなみに、C100で新たに導入されるのが「午後入場チケット」だ。これは、コミケ初心者やとりあえずコミケの雰囲気を味わいたい人向けで、午後からゆったり参加できるチケットとなる。また、更衣室の利用には「コスプレ一般入場チケット」が必要で、地区、日ごとに異なるチケットが用意されている。

もちろん、今回もチケットの当日販売はなく、事前にチケットを購入できなかった人は終日入場することができない。午後からのフリー入場もないので注意しよう。

なお、C99ではコミケカタログが販売されなかったが、C100では第100回記念ということもあり、冊子版のみが発売される。ただし、DVD-ROM版や、企業ブースパンフレットは発行されない。

●コミックマーケット準備会「コミックマーケット100 入場チケットの販売について」は→こちら

C100に参加するには、日にちと入場時間帯、入場地区ごとに分かれたチケットを事前購入する必要がある。当日はチケットとリストバンド型参加証と交換してから待機列に並んで入場することになる。ただし「午後入場チケット」なら、待機列に並ぶこともなくゆったりコミケを楽しめるはずだ(筆者撮影)

C100に「竹箒」の武内崇・奈須きのこさん、ワダアルコさん、羽海野チカさんも参戦で話題に!

C100では、大人気作品『TYPE-MOON』の武内崇さん(「竹箒」東シ64a)と奈須きのこさん(「The BAMBOO BROOM」東シ64b)。イラストレーターのワダアルコさん(「ワダメモ」日曜日 東シ63a)、漫画家の羽海野チカさん(「海の近くの遊園地」日曜日 東シ62a)らがサークル参加することになった。

いずれも8月14日(日曜日)の「TYPE-MOON」ジャンルでの参加となり、隣接する壁スペースにまとめて配置されることが判明したため、ネット上ではお祭り騒ぎに!

とくにワダアルコさんは、Twitter上で「両隣が竹箒と羽海野先生なんですけど!!!!!!!!!!!!」と喜びを隠せない様子だ。

なかでも、「竹箒」のサークル参加は久しぶりなので、ネット上では今から待機列が、会場外まで延々と伸びるのではないかと心配する声も上がっている。

C100には、ほかにも『東方Project』でお馴染みのサークル「上海アリス幻楽団(日曜日 東シ47a)」や、『魍魎戦記MADARA』などでおなじみの漫画家・田島昭宇さん(「ゴリラ★キック」土曜日 東A19a)なども参加する予定となっている。

まとめ

47年もの歴史を持つ世界的同人イベントのコミケが、いよいよC100を迎える。本来なら、2020東京オリ・パラも終了し、東・西・南・展示棟や会議棟などをフルに使った4日間開催で、過去最大規模のお祭りになるはずだった。

そう思うとちょっと残念だが、ようやくコロナ禍も収まり、なんとか2年ぶりのC99開催、そしてC100へとつながることになりホッとした人も多いと思う。

C100は2日間開催とはいえ、参加者総数もC99より増えているし、面倒なワクチン・検査パッケージもない。有料チケット制も、かえって駅や待機列の混雑緩和になっている側面もあり、参加者にはおおむね受け入れられているように感じる。

正直言って真夏のマスク着用はかなり息苦しいだろうが、新型コロナや熱中症対策をしっかり行ったうえで、歴史的なイベント「C100」をみんなで盛り上げたいものだ。

※サムネイル画像(Image:comiket.co.jp

いしばしいちろう
編集・ライター。20年以上、某ゲーム雑誌の編集部に所属。ゲームやパソコン、カメラ、鉄道などが得意分野だが、フリーになってからはコスプレイヤーの撮影にハマったあげく、最近はVTuberにどっぷり浸かっている。

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