株式会社プラスワンが運営する無人契約機検索サイト「アトムくん」が、NHK受信料に関するインターネット調査を2022年9月に実施した。アンケートに回答した男女1000人のうち、70.3%が受信料を支払っていると答えた。しかし「NHK受信料は妥当だと思いますか」という質問に対しては、「高いと思う」と答えた人が全体で90.3%、受信料を支払っている人に限定しても88.3%と大多数を占めることになった。
NHK受信料への納得度、他サービスとのコスパ競争で苦戦か
NHKの受信料支払いについては、かねて議論がある。NHKの放送を受信できるテレビを持っている場合は基本的に支払いの対象になるため、支払いを回避する手段として、受信機を内蔵しないチューナーレステレビがドン・キホーテやノジマから発売されて、大きな話題になっていることをご存じの方も多いはずだ。
NHKの競合は、いまやAmazonプライム・ビデオやNetflixなどの有料動画配信サービスだ。ユーザーから収められた月額料金をもとに質の高いオリジナルコンテンツをつくる有料動画配信サービスが台頭している現実は、受信料問題と無関係ではないだろう。とくに、ドラマや映画などは、Netflixだけ見ても到底、見きれないほどのコンテンツ量がある。相対的にNHKに対するコスパが下がり、視聴者の目が厳しくなるのも自然である。
そのような世情を受けてか、10月11日にNHKは2023年10月からの受信料を約1割値下げすると発表した。具体的には、衛星契約が月額1,950円、地上契約が月額1,100円(いずれも口座振替・クレジット払いの場合)となる。今後も値下げを念頭に運営の効率化を進めていくようだ。
視聴者にとって受信料が安いに越したことはないのは当然とも言える結果だが、アンケートで気にかかるのは「NHKの番組は『特定の勢力、団体の意向に左右されない構成で質の高い番組』だと思いますか」という質問への回答だ。最も多いのが「どちらとも言えない」で44.6%、ついで「思わない」が40.2%、「思う」と回答した人は15.2%となっていた。
NHKは公共放送であり、国に頼らず受信料で運営する理由を「NHKが、特定の勢力、団体の意向に左右されない公正で質の高い番組や、視聴率にとらわれずに社会的に不可欠な教育・福祉番組をお届けするため」としている。目先の受信料を引き下げることも一つの手だが、「NHKになら払ってもいい」と思わせる信頼を築くことも公共放送として生き残っていくためには大切な視点だろう。
出典元:株式会社プラスワン「アトムくん」は→こちら
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