今やわれわれにとって、なくてはならないものとなりつつあるスマートフォン。「生活に必要かどうか」とは別に、「依存している」と自発的に捉えている人はどれほどいるのだろうか。今回は、MMD研究所が行った「2022年スマホ依存と歩きスマホに関する定点調査」の内容を紐解いていく。近年、問題視されている、歩きスマホへの危険意識もあわせて見ていこう。
約7割の人がスマホに依存
調査の対象はスマホを所有する15〜69歳の男女559人。
スマホ依存について質問したところ、「かなり依存している」と回答した人は20.9%、「やや依存している」と回答した人は49.0%という結果となった。両回答合わせて69.9%と約7割の人が、少なからずスマホに依存していると言えるだろう。
また、歩きスマホについては61.7%の人が「危ないと思う」、29.2%の人が「やや危ないと思う」と、合わせて90.9%の人が危険意識を持っていることがわかった。この数値は2019年の同様の調査と比較すると5.7ポイント減となっており、年々、低下の傾向にあるようだ。
スマホの普及にともない、歩きスマホへの注意書きは増えているように感じるが、あまり効果はないのかもしれない。スマホが普及しすぎたことによって、逆に「歩きスマホなんてよくあること」になってしまったのだろうか…?だが、歩きスマホもまた依存の形の一つなのかもしれないとも思う。
スマホ依存、自分は本当に大丈夫?
では、スマホ依存を自覚している人は、「抜け出したい」と考えているのだろうか。約7割の「スマホに依存している」と回答した人のうち、「スマホから抜け出す必要があると思う」と回答したのはなんと7.4%。「やや抜け出す必要があると思う」が42.5%であった。合わせて49.9%の人が「抜け出さなければ」とは考えているわけだが…。
言い換えれば、(僅差とはいえ)過半数が「抜け出す必要がない」と感じているということになる。こうやって言葉にすると少し恐ろしい結果だ。「依存はしているが大した依存ではない」と考える方が多いのかもしれない。
「重大に依存している/していない」の線引きも曖昧だが、そもそも、「依存している/していない」の線引きをどこに置くかも難しい。それに、依存している人ほど自覚はしにくいものなのではないか。同調査内の設問には、「スマホ依存度チェック」と題して12項目の中にいくつ当てはまるものがあるかを聞いたものがある。最も多かった回答は、「ちょっとした待ち時間にスマホをいじる」、僅差で続くのが「寝るとき、スマホを枕元に置いて寝る」だ。
12項目のうち、筆者が個人的に線引きに使えそうだと感じた観点は、トイレや脱衣所に必ずスマホを持っていくか?というものだ。「スマホなしで1日過ごせない」もわかりやすい。不必要な場面にまで肌身離さずスマホを持ち歩く、一体、いつからこんな風になってしまったのだろうか…と思わず嘆いてしまう。さて、調査内容も紹介し終えたところで、筆者はこれからスマホを持ってトイレに向かう。
出典元:2022年スマホ依存と歩きスマホに関する定点調査【MMD研究所】