好きな時にほしい情報が手に入る現代。とくに、ここ何年かはスマートフォンの登場により、情報源となるメディアが大きく変化している印象だ。それを特徴づけるように、耳にする機会が増えた言葉が「若者のテレビ離れ」だ。
今後の進退が気になるテレビだが、本当のところどれほど利用率があるのだろうか。生活情報を得るメディアについて調査したアンケートを元に、メディアの現状をみていこう。
テレビの支持率はまだ高い! SNSやWebサイトは今後も伸びる予感
NTTドコモが運営するモバイル社会研究所にて、2022年1月に行われたメディア利用動向調査を参考に、メディアの現状についてみていこう。この調査は、スマートフォン・携帯電話保有者を対象に、週1回以上アクセスし、日常的に情報入手の手段として用いているメディアについて回答を集計したものである。
2022年1月の段階では、「テレビ」を利用すると答えた人が全体の45.9%いるという結果に。調査が開始された2014年(55.8%)と比べると減少はしているものの、まだ多くの人によって情報を手に入れる手段として用いられていることがいえるだろう。しかし、昨年よりも微減している点は少々気になるため、今後の動向に注視したい。2番目は「Webサイトやアプリ」(43%)。こちらはスマートフォン利用者からの回答が集まった結果であるといえるだろう。携帯端末一つで、すぐにほしい情報が手に入る便利さが支持を集めていると考えられる。
スマートフォンの登場により大きく順位を変えたのは「ソーシャルメディア」も同じだといえる。今年は微減したが、以前は毎年5%ずつ票数を増やしていたため、今後も大きく伸びる可能性があるといえるだろう。現状では票数を上回っているテレビだが、成長率が高いSNSやWebサイト、アプリに抜かされてしまうのも時間の問題なのかもしれない。
テレビの使用率が高いのは50代~70代。10代~20代はやはりSNSが多い
調査では、メディア別に利用者を見ることで、おもしろいことがわかったという。「テレビ」を利用する回答者について、50代~70代が他の世代よりも利用率が高いことが明らかとなったのだ。とくに多かったのは60代の53%。50代~70代全体で見ても、約5割の人がテレビユーザーだったのである。この世代の人々にとって、テレビはなくてはならない存在になっているのではないだろうか。
しかし、テレビとは反対に、10代~20代の人は「ソーシャルメディア」をよく利用していることが明らかとなった。とくに多いのは、10代の61.8%でなんと半数以上。WebサイトやアプリよりもSNSを利用している人が多い結果になったのも驚きだ。スマートフォンが存在するのが当たり前の世代である若者世代にとって、片手で好きな時間に気になるニュースを調べられるSNSの方が、使い勝手がよいと考えているのかもしれない。
また、調査では職業ごとの利用メディアについて質問。会社員や専業主婦をはじめ、学生を抜いたどの職業でも「テレビ」の利用率が最も高いという結果に。やはり「テレビ」の利用率は高いように思われるが、学生を見るとその意見がガラリと変わることだろう。なんと、学生はSNSがダントツでトップを獲得していたのである。
やはり、SNSの存在感は非常に大きく、10代~20代の若者にとってはなくてはならないツールといえるだろう。今後、SNSでの情報発信はより活発に行われていくことが予想されるため、今のうちにSNSに慣れておくことをオススメしたい。
出典元:【モバイル社会研究所】
※サムネイル画像(Image:筆者撮影)