もし、JR東日本の交通系ICカード「Suica」を失くしてしまったら、いったいどうすればいいのでしょうか? 実は、記名式や無記名、定期券によって問い合わせ先や再発行手続きが異なるので意外と面倒なのです。そこで今回は、Suicaの種類別にどうやって再発行すればいいのかを紹介しましょう。
カード式Suicaを紛失したら残高が保証される? されない?
JR東日本の交通系ICカード「Suica」を失くしてしまったら、いったいどうすればいいのでしょうか?
まず、カード式Suicaには「記名式(My Suica)」と「無記名式」の2種類があります。無記名式は「誰が使ってもいい」ので、家族や友だちと自由に貸し借りできるんですが、失くしてしまうと何の保障もありません。
これに対し、記名式やSuica定期券は「書かれている本人しか使うことができない」ので、家族が使っても不正利用になります。しかし、再発行は可能ですし、残高や定期券部分の保障も受けられるようになっているのです。
■Suicaの種類
【無記名式】誰が使ってもOKですが、紛失しても残高は保証されません
【記名式】書かれている本人のみ使用可能ですが、紛失しても再発行可能で残高や定期券部分は保障されます
記名式SuicaやSuica定期券を紛失したらSuicaエリア内の「みどりの窓口」で申告する
それでは、記名式Suica(My Suica)やSuica定期券を紛失したときの再発行手続きを紹介しましょう。
Suicaを紛失したら、まず、Suica(PASMO)エリア内の主な駅やバス営業所および、JR東日本の新幹線停車駅の「みどりの窓口」に申し出ます。その際、Suicaに登録されている氏名・生年月日・性別情報が必要になります。また、券売機で記名式Suicaを新規発行した場合は、連絡先電話番号が登録されているので、その電話番号も必須です。
もし、Suicaの裏面に記載された「JE」で始まる17桁の整理番号(SuicaID)が分かるならカードの特定が可能なので、よりスムーズに再発行できるでしょう。紛失が心配な人はSuicaIDをあらかじめメモしておくことをオススメします。もちろん、本人であることを証明するために、本人確認書類(免許証など)と電話番号の確認準備も必要になります。
ただし、みどりの窓口で再発行の手続きを行っても当日には再発行されないので、申告の翌日から2週間以内に受け取りに行きます。それを過ぎると、再度再発行手続きが必要になりますので注意してください。
また、再発行したSuicaを受け取るときも本人確認書類が必要ですし、再発行手数料(520円)とデポジット(500円)の計1,020円が必要となります。
●JR東日本「再発行」は→こちら
Suica付きビューカードを紛失した場合
Suica付きクレジットカードの「ビューカード」を紛失した場合は、どうしたらいいのでしょうか? この場合はみどりの窓口ではなく、JR東日本の100%子会社(株)ビューカードの「紛失・盗難デスク」へ連絡します。
まずはクレカの不正利用を防ぐために”利用停止“を行うことになりますが、同時にビューカードに付いているSuica機能、Suica定期券機能、JRE POINT機能もすべて停止されます。
もし、利用停止申し込み前にSuicaの残高を使われてしまうと、その部分の返金はされないので、紛失に気がついたらすぐに連絡したほうがいいでしょう。利用停止&再発行手続きを行うと、1週間から10日程度で新しいビューカードが送られてきます。ただし、再発行には524円の手数料が必要です(JALカードSuicaは792円/JALカードSuica CLUB-Aゴールドカードは手数料無料)
なお、Suica定期券機能のないビューカードなら、再発行されたビューカードにSuica残高は引き継がれ、そのまま利用することができますが、Suica定期券機能が付いているビューカードの場合は、手続きがかなり複雑になるので、このあと詳しく解説しましょう。
●ビューカード「紛失・盗難でお困りの方」は→こちら
Suica定期券機能付きビューカードを紛失した場合はどうなる?
Suica定期券機能付きビューカードを紛失したら、まずビューカードの紛失・盗難デスクに連絡するところまでは同じです。しかし、再発行されたSuica定期券機能付きビューカードには、Suica残高や定期券の情報は引き継がれていません。
この場合は、ビューカードの紛失・盗難デスクに連絡したあと、Suicaエリア内のJR東日本のみどりの窓口に出向いて、整理番号(SuicaID)、本人確認書類、手続き費用1,020円(デポジット込)を持参します。みどりの窓口では「定期券機能の付いたビュースイカカードを紛失したので、Suica定期券を再発行したい」と伝えましょう。
これで、Suica残高とSuica定期券の情報が引き継がれた「カード式Suica定期券」が再発行されます。その後、新しいビューカードが自宅に届いたら、再発行されたSuica定期券とビューカードを持ってSuicaエリア内にある「多機能券売機」で、Suica情報を移し替えましょう。
多機能券売機で「発行替え」を選択したら「移し替えの種類」を選択し、Suicaとビューカードを挿入すればOKです。これで、再発行されたビューカードにSuica定期券が移し替えられ、再発行したSuicaが回収されるのでデポジット(500円)が返金されるのです。
なお、再発行されたビューカードを受け取ったあとすぐにSuica機能を使ってしまうと、Suicaカード情報を移す手続きができなくなります。必ず、移し替えが終わるまで未使用の状態にしておきましょう。
●ビューカード「カード紛失・盗難による再発行に必要なお手続き(カード番号にご変更がある場合)」は→こちら
まとめ
いかがでしょうか? 今回は、カード式Suicaを失くしたときにどうすればいいのか、その対処方法を紹介しました。
とくにSuica定期券機能付きビューカードを失くすと、ビューカードの利用停止と再発行は(株)ビューカードへ、Suica定期券の再発行はみどりの窓口に、それぞれ申し出る必要があり非常に面倒ですので注意してください。
もちろん、記名式SuicaやSuica定期券を紛失したときは、これらの手続きをする前に警察に紛失届けを出したり、鉄道会社に忘れ物の問い合わせをしておきましょう。運が良ければそのまま戻って来る場合もありますよ。