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えっ!「Suica」と「ICOCA」って同じ機能じゃないの? 意外な相違点とは……

JR東日本の「Suica(スイカ)」と、JR西日本の「ICOCA(イコカ)」ですが、いずれも同じJRが発行している交通系ICカードなので、機能もさほど変わらないと思っている人は多いことでしょう。でも、実はあまり知られていない意外な相違点がたくさんあるんです!

【1】購入できる地域や会社が違う

購入できる地域や会社が違う1

(画像はJR東日本とJR西日本より引用)

まず紹介するのは、SuicaとICOCAでは購入できる地域や会社に大きな違いがあること。まあ、当然のことなのですが、SuicaはJR東日本のSuicaエリアのみどりの窓口や、多機能券売機などで購入することができます。

関東では私鉄や地下鉄などでもSuicaは利用できますが、実はこれらの駅でSuicaを買うことはできず、JR東日本以外の会社では、りんかい線(東京臨海高速鉄道)と東京モノレールでしか購入できません。定期券についても発駅か着駅がJR東日本、りんかい線、東京モノレールのいずれかの駅が含まれていないと、Suica定期券を発行することはできないんですね。

●東京モノレール「モノレールSuicaとは」は→こちら
●りんかい線「りんかいSuica」は→こちら

購入できる地域や会社が違う2

こちらがりんかい線が発行している「りんかいSuica」。Suicaペンギンの代わりに、りんかい線の公式キャラ「りんかる」が描かれています。※現在、一部カードは発売を中止しています(画像はりんかい線公式サイトより引用)

一方、ICOCAのほうはJR西日本のICOCAエリアのみどりの窓口だけでなく、各私鉄でも購入可能です。Osaka Metro・近畿日本鉄道・京阪電気鉄道、あいの風とやま鉄道などなど、20社以上の私鉄、バス会社で発売されています。さらに、JR四国の一部の駅でもICOCAは購入することができるんです。

Suicaと違って、ICOCAはJR西日本の駅に行かなくても、いろいろな私鉄でも購入できるのは便利ですよね。もちろん、ICOCA定期券についてもJR西日本以外の私鉄で発行可能となっています。

●JR西日本「ICOCAは、どこで買えますか。」は→こちら

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ICOCAはJR西日本の駅だけでなく、数多くの私鉄の駅でも購入することが可能です(画像はJR西日本公式サイトより引用)

ちなみに、Suicaの購入がほぼJR東日本の駅に限定されてしまっているのには、「PASMO(パスモ)」の存在があります。関東の多くの地下鉄や私鉄、バスはPASMOに参加しているため、「Suica=JR東日本」「PASMO=Suicaエリアの私鉄や地下鉄」と明確に棲み分けられているんですね。

購入できる地域や会社が違う4

PASMOは関東の私鉄や地下鉄、バスが参加する交通系ICカードです。そのため、JR東日本のSuicaとは棲み分けされているので、私鉄でSuicaを買うことはできません(画像はPASMO公式サイトより引用)

■購入できる会社
【Suica】JR東日本/りんかい線/東京モノレール
【ICOCA】JR西日本/Osaka Metro/近畿日本鉄道/京阪電気鉄道/あいの風とやま鉄道などの私鉄各社
【PASMO】Suicaエリアの小田急電鉄/京王電鉄/東京メトロなど私鉄各社

【2】利用可能エリアや移動可能距離制限が違う

SuicaとICOCAでは利用可能エリア(Suicaエリア、ICOCAエリア)に大きな違いがあります。

そもそも、交通系ICカードは日本全国で利用できるようになっていますが、実は利用可能エリアが大きく14に分割されており、各交通系ICカードごとに利用可能エリアが決まっています。そのため、基本的に各エリアの交通系ICカードで普通列車に乗ったまま、別のエリアで下車するような使い方はできないのです。

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交通系ICカードは日本全国で利用できますが、違うエリアを跨いで利用することはできません(画像はJR東海公式サイトより引用)

まず、Suicaの利用可能エリアは首都圏、青森、盛岡、秋田、仙台、新潟の6つに分かれています。そのため、Suicaが利用できるエリアであっても、それぞれのエリアを跨いで利用することはできません。たとえば、東京駅からSuicaで鈍行列車に乗って仙台で下車するようなことはできないんですね。

ただし、同一エリア内であれば距離は関係ありません。たとえば、「JR松本駅」から「JR浪江駅」は509キロも離れており、普通列車では10時間以上、料金も8,360円かかりますが、同じ首都圏エリアなので、Suicaで普通列車に乗って移動することが可能となっています。

●JR東日本「利用可能エリア」は→こちら

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こちらは6つあるSuicaエリアの首都圏エリア。首都圏エリアだけでも東京、千葉、埼玉、神奈川、群馬、茨城、山梨、新潟、長野など、かなり広範囲をカバーしているのが分かります(画像はJR東日本公式サイトのPDFより引用)

これに対し、ICOCAエリアはひとつしかありませんので、Suicaのような心配をする必要はありません。その代わり、ICOCAは200キロ以上の長距離を移動することができないようになっています。

たとえば「JR大阪駅」から「JR広島駅」までは337キロも離れているので、同じICOCAエリアであっても、普通列車に乗車して移動することはできないんです。また、200キロ未満であっても一部の駅ではICOCAが使えない場合もあるので、ICOCAで長距離移動したいなら、事前にしっかり確認しておきましょう。

ただし、大阪近郊区間内相互発着を利用した場合や、サンダーバード、しらさぎ、くろしおなどの在来線特急停車駅相互間を利用した場合、臨時停車以外の特急やくも号の停車駅相互間を利用した場合、ハピラインふくいとJR西日本区間をまたがって利用した場合などは、例外的に利用可能となっています。

●JR西日本「ご利用可能エリア」は→こちら

利用可能エリアや移動可能距離制限が違う3

こちらがICOCAエリア。関西だけでなく金沢、山口、島根、香川と、かなり広範囲をカバーしています。エリアはひとつだけなのですが、ICOCAでは200キロ以上の距離を移動することはできません(画像はJR西日本公式サイトより引用)

■エリア
【Suica】6つに分かれており、各エリアを跨いでの利用できないが、エリア内なら距離制限はなし
【ICOCA】エリアはひとつだが、200キロ以上の距離は移動できない

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