【3】オートチャージ機能が違う
SuicaとICOCAではオートチャージにも違いがあります。
まず、Suicaはオートチャージに対応しており、クレカの「ビューカード」を契約して設定を行えば、Suicaエリアの自動改札機にタッチし、設定した金額を下回ると自動でチャージされるようになっています。モバイルSuicaならアプリ内から設定できますが、カード型Suicaにもオートチャージが設定可能です。
設定は、JR東日本が駅に設置しているVIEW ALTTEで、クレジットカードとSuicaを紐づけるだけなので非常に便利ですよ。
●JR東日本「オートチャージのご利用・設定」は→こちら
これに対し、ICOCAにはオートチャージ機能がありません。そのため手動でチャージすることになるのですが、モバイルICOCAやSMART ICOCAを利用すればクレジットカードからのチャージは可能となっています。
ただし、SMART ICOCAは2024年12月12日に申し込みが終了します。今後、ICOCAにクレジットカードからチャージしたいときは、モバイルICOCAを使うしかありませんね。
■チャージ方法
【Suica】ビューカードがあればオートチャージが利用可能
【ICOCA】オートチャージ機能なし
【4】チャージ残金での入場可能金額が大きく違う
これは、SuicaとICOCAの違いというより、SuicaエリアとICOCAエリアの違いになるのですが、それぞれのエリアで自動改札に入場できる最低チャージ残高の条件が大きく違います。
まず、Suicaエリアではその駅からの初乗り運賃(IC運賃)以上のチャージ残高がないと、自動改札を通れません。Suica残高が初乗り運賃未満の場合は、入場する前に知らせてくれる仕組みになっているんですが、タイミングによっては目先の列車に乗り遅れることもあるでしょう。
●JR東日本「自動改札機の通り方」は→こちら
これに対し、ICOCAエリアではチャージ残高が1円でもあれば自動改札を通ることが可能になっています。これなら、とりあえず残高不足でも目先の電車に乗ることが可能ですね。もちろん、下車するまでにチャージしたり下車駅で精算を行えば問題ありません。
ちなみに、入場可能な最低チャージ残高は各エリアごとに異なります。たとえば、JR北海道のKitacaエリアでは、Suicaエリアと同じで初乗り運賃未満の場合は入場できませんが、愛知県を中心としたmanacaエリアでは、なんとチャージ残高が0円でも入場できるんですよ。
■入場可能な残高
【Suicaエリア】入場駅からの初乗り運賃以上の残高がないと入場不可
【ICOCAエリア】残高が1円でもあれば入場可能
●JR東海「交通系ICカードの全国相互利用サービス」は→こちら
【5】スマホアプリへの対応が違う
SuicaとICOCAのスマホアプリへの対応については、ハッキリと違いがあります。
まず、Suicaはモバイル端末で使えるように、2006年から当時のいわゆるガラケーで「モバイルSuica」サービスを開始。現在でもスマホ向けにサービスを展開しています。オートチャージの設定はもちろん、Suicaグリーン券やおトクなきっぷまで購入することも可能となっています。
ところが、ICOCAの「モバイルICOCA」のサービスが開始されたのはAndroidスマホが2023年3月からで、iPhoneは2023年6月からとつい最近のこと。そのためか、モバイルICOCAは定期券とクレジットカードからのチャージ以外に機能はなく、モバイルSuicaと比べると利便性がイマイチです。せめて、オートチャージ機能ぐらいはつけて欲しいところですね。
■アプリへの対応
【モバイルSuica】モバイルSuicaは2006年からサービス開始。定期券以外にもオートチャージ、オトクなきっぷ、Suicaグリーン券などが購入可能で多機能
【モバイルICOCA】2023年にサービス開始。定期券とクレジットカードからのチャージ機能のみ
まとめ
いかがでしょうか? 今回はSuicaとICOCAの違いを5つ紹介しました。同じ交通系ICカードでも、意外と違いがあることが分かっていただけたと思います。Suicaは、2001年11月に日本初の交通系ICカードとして誕生して20年以上の歴史があるため、サービスが非常に充実しています。
これに対し、後発のICOCAは私鉄でも購入できますしかなり広いエリアで利用できるのが便利ですが、Suicaと比べるとサービス面ではイマイチ物足りません。
そして、いちばん意外なのが、入場可能なチャージ残高が各エリアで大きく異なっていること。ICOCAを持って東京に来た人は、残高不足で自動改札で引っかからないように注意したほうがいいかもしれませんね。