「老後にもらえる年金額」について、まだまだ先の話でもある現役世代はそこまで気にしている話題ではないかもしれない。しかし高齢化が進み「人生100年時代」といわれる社会、年金制度は老後の生活を支える大切なものであることは間違いない。
今回は、2022年4月から年金制度改正法が順次施行され、年金受給時期の上限がひき上げられることになったことに関する調査の結果についてお伝えしていきたい。
現行では年金の受け取り開始年齢は60~70歳の間で選べたが、改正後は75歳まで選択可能に!
2022年4月から年金制度改正法が順次施行され、年金制度の適用対象が広がったり、受給開始時期の上限が引き上げられる。現行の制度では受け取り開始時期を60~70歳の間で決めることができるのだが、改正後は60~75歳の間で選択できるようになる。ちなみに、65歳より早く受け取り始めた場合(繰上げ支給)は最大で30%減額、65歳以降に受け取り始めた場合(繰下げ支給)は最大で42%増額した年金を受け取ることができる。
そんな年金の受け取り年齢について日本トレンドリサーチが2月9日、同月に実施した「年金の受け取り年齢に関するアンケート」の結果を発表し世間の反応を明らかにした。「年金の受け取り開始時期を選べることを知っていましたか?」という設問では、「30代以下」では49.2%しか知らなかったのに対し、「60代」「70代以上」では80%を超える回答者が知っていると回答。年金の開始時期を選択できることの認知度が、年代が上がるにつれて上がってくることがよくわかる結果となった。
また、何歳から受け取りたいかとの質問には「65歳」との回答が41.1%で最多。次いで「60~64歳」との回答が28.0%、「66~70歳」が21.8%と続く結果となった。
では、開始時期もさることながら、みなどれくらいの年金を受け取りたいと思っているのか。「年金で毎月いくら受け取りたいですか?」という質問では、回答者全体で見ると「11~15万円」が26.5%で最多。次いで「16~20万円」が25.1%という結果となっている。厚生年金は毎月支払う保険料によって年金額も変わってくるが、いったいいくら保険料を支払えばこれらの金額を受け取ることができるのか。公的年金制度の詳細については過去記事→こちらをご確認いただきたい。
また、年代別で見ると「30代以下」「40代」「50代」の現役世代では「11~15万円」が最多で2位「16~20万円」3位「6~10万円」とほぼ同じような割合分布になっている。それに対し、「70代以上」が如実に高額な年金を希望していることが興味深い。とくに「26~30万」という回答は22.4%と、30~50代と比べて2~3倍になっている。
厚労省の資料によると、2020年度の老齢年金支給額の平均は146,145円で、若年層が希望する金額と合致している。70代になって「もっともらわないと足りない!」という事態に陥らないよう、資産形成は若いうちからコツコツ行っていきたい。
出典元:【年金制度改正】受給開始の時期を「71~75歳」に繰り下げたい方は7.4%【日本トレンドリサーチ】
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