これまで、社会情勢などの変化をふまえて定期的に改正されてきた年金制度。2022年4月にも、新たな制度が施行される。改正ポイントの一つとして「65歳を超えて働き続けると、毎年年金額が増える」という大きな変更があるが、調査によると「65歳以上の労働者の年金が増えることを66.27%が知らなかった」という事実がわかった。認知が進めば、65歳を超えても働き続ける人は増えるのだろうか。
2022年4月から施行される年金制度改正のポイントとは
4月の改正ポイントは、「被用者保険の適用拡大」「在職中の年金受給の在り方の見直し」「受給開始時期の選択肢の拡大」「確定拠出年金の加入可能要件の見直し」など、大きく分けて4つある。このうち「受給開始時期の選択肢の拡大」について、日本マーケティングリサーチ機構の調査で意外な事実がわかった。
日本マーケティングリサーチ機構は2022年1月に、日本全国の10~70代の男女を対象に「年金制度」に関するインターネットを活用した調査を行った。その中で「年金制度が改正され65歳以上の労働者の方の年金が増える事を知っていましたか」という質問に対し、「知っていた」は33.73%、「知らなかった」66.27%という結果に。ほぼ3人に2人は知らないという驚きの結果が判明したのだ!
年金といえば長年汗水たらして働いてきて「ようやく自由になれた!」というセカンドライフを送るための大切な資金源だが、意外にも知らない人のほうが多かったようだ。
同調査では「年金制度の改正が決まる前から65歳以降も働こうと思っていましたか」という質問も用意されており、その回答では「働こうと思っていた」29.99%、「働こうと思っていなかった」29.51%、「どちらでもない」が40.49%という結果になった。
この結果を踏まえて「年金制度が改正される事によって65歳以降も働こうと思うようになりましたか」という質問を見ると、「元々働こうと思っていた」28.80%、「年金制度の改正があって働こうと思った」11.22%、「働こうと思わない」22.28%、「どちらでもない」37.71%という回答が得られている。実に10%以上の人が、年金制度の改正を受けて「65歳以降も働こう」と思ったというのだ。
近年は労働力不足が叫ばれており、多くの企業が人材不足で苦労していることだろう。今回の年金制度の改正で職場のもうすぐリタイアする大ベテランがもう少し残ってくれたとすれば、現場としては非常にありがたい話に違いない。それでなくても“手に職”タイプの仕事では長年の経験を活かしたいぶし銀として活躍できる人も多いだけに、日本のものづくり業界の朗報となるかもしれない。
出典元:日本マーケティングリサーチ機構は→こちら