マイナンバーカードの申請と各種サービスの申し込みでポイント還元が受けられる「マイナポイント制度」。最大2万円分の還元となる第2弾が6月末にはじまってからまもなく2カ月が経とうとしている今、申し込み状況がどのようになっているのか調査が行なわれた。
はたしてユーザーはどのサービスを受取先に選んでいるのだろうか?
マイナポイント理解度は約6割、2年前から大きく上昇
マイナポイント利用状況に関する調査を行なったのは、株式会社ICT総研だ。7月29日から8月1日の4日間で全国の6,006人に対して実施され、そのアンケート結果がまとめて公表された。
まずマイナポイントに対する認知度や理解度を尋ねた質問では、「内容を把握している」と答えた人が58.9%と約6割を占めた。2年前のマイナポイント第1弾実施中に行なわれた同様の質問では「内容を把握している」と回答したのは36.8%と4割にも届いていなかった。2年のうちにずいぶん世間一般に広まったといえる。
総務省が推進するマイナポイント制度の目的はマイナンバーカードとキャッシュレス決済の普及促進だが、特にキャッシュレス決済は体感として利用率の高まりを感じる。マイナンバーカードはともかく、キャッシュレス決済がより身近になったことで、マイナポイント制度への心理的なハードルも低くなったのかもしれない。
マイナポイント第2弾で最大となる2万円分の還元を受けるには「マイナンバーカードの新規取得等」「健康保険証としての利用」「公金受取口座の登録」のすべてに申し込む必要があるが、実際の申し込み状況はどうなっているのか。この中で「マイナンバーカードの新規取得等」については「申し込んだ」と回答した人が52.2%にものぼり、約半数がすでにマイナンバーカードを持っているという結果となった。
新規取得時に行なうキャッシュレス決済サービスの登録では「PayPay」が27.2%を占めており圧倒的な1位となった。続いて「楽天カード」が15.3%で2位、「WAON」が13.1%で3位に。選んだ理由としては「ふだん利用しているキャッシュレス決済だから」が53.8%で最多となっており、楽天やイオンの浸透具合をもってしてもPayPayの強さには勝てないようだ。
しかし、健康保険証や公金受取口座の登録についてはもう一段階ハードルが上がるようで、「申し込んだ」と答えたのは「健康保険証としての利用」が34.9%、「公金受取口座の登録」が31.6%にとどまった。既存の健康保険証で事足りていたり、自身の口座情報を渡すには情報管理の面で不安があったりとまだまだハードルが高いようだ。
政府は2023年3月末までにほぼ全国民にマイナンバーカードを行き渡らせるという目標を掲げている。現状を見ると“無謀な目標”と言わざるを得ないかもしれない。
出典元:2022年8月マイナポイント利用状況に関する調査【ICT総研】
※サムネイル画像(Image:Alim Yakubov / Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています