PayPayなどポイント還元が盛り上がっているけどポイントと現金どっちがお得?

PayPayやGoogle Payなどのバーコード決済で10~20%のポイント還元が盛り上がっているが、そもそも、ポイント10%還元と現金10%オフはどっちがお得なのだろうか? 「そんなの、どっちも同じでしょ!」と思ったアナタ、損をしているぞ。実はポイント10%還元より現金10%オフのほうがお得なのだ! ここではその理由を解説しよう。

同じ10%でもポイント還元と現金は同じではない!

 今流行りのバーコード決済を利用すると10~20%ものポイント還元やキャッシュバックが受けられて盛り上がっている。これは、家電量販店などでは昔から行われていたことだが、なかには現金値引きをウリにするお店もある。果たしてポイント10%還元と現金10%オフはどっちがお得なのだろうか? 多くの人が「そんなのどっちも同じでしょ!」と思ってしまうだろうが、実は同じではないのである……。
 この計算をする場合、ポイント還元の場合は必ず2回目も同じ店で購入し、もらったポイントを使うのが前提になるが、実はここに落とし穴がある。それでは、実際にポイント10%還元のA社と現金10%オフのB社で10万円の商品を2回買った場合で考えてみよう。
 まず、ポイント10%オフのA社で1回目に10万円の商品を買うと1万ポイントがもらえる。だが、2回目に10万円の商品を買うときは1万円分をポイントで支払うため、現金で支払うのは9万円となり、ポイントは9万円に対する10%=9,000円しかもらえないのだ。1回目と2回目の総支払い額は19万円でポイントが9,000円分残るので、それを勘定に入れても2回の買い物の総支払額は18万1,000円となる。これに対し、現金10%オフのB社で10万円の商品を購入した場合、1回目も2回目も10%オフなので9万円×2回=18万円しか支払わなくてよい。つまり、このケースでは現金10%オフのB社のほうが1,000円ほど得することになるというわけだ。

■ポイント10%還元の場合

【1回目】
現金10万円支払いで+1万ポイント
【2回目】
現金9万円支払いで+9,000ポイント

 

【1回目+2回目の支払い総額】
[-10万円]+[-9万円]=-19万円(+9,000ポイント)=-18万1,000円

 

■現金10%オフの場合

【1回目】
現金9万円支払いで+0ポイント
【2回目】
現金9万円支払いで+0ポイント

 

【1回目+2回目の支払い総額】
[-9万円]+[-9万円]=-18万円

還元率が低くても現金割引のほうがお得な場合も!

 ここまでの説明で、同じ10%割引ならポイント還元より現金割引のほうがお得なのは理解してもらえたと思う。だが、場合によってはポイント20%還元のA社と現金18%オフのB社の場合でも、B社が得するケースがあるのだ。ここでは、1回目に10万円の商品、2回目は2万円の商品を買う場合で計算してみよう。
 まず、ポイント20%還元のA社で最初に10万円の商品を購入すると2万ポイントもらえる。2回目に2万円の商品を全額ポイントで支払えば現金での支払いはない。したがって、1回目と2回目の総支払額は10万円でポイント残高は0となる。次に現金18%オフのB社で1回目に10万円の商品を買うと18%オフの8万2,000円で購入できる。次に2回目に2万円の商品を購入すると18%オフの1万6,400円の支払いになる。つまり、1回目と2回目の総支払額は9万8,400円となり、実はポイント20%還元のA社より、現金18%オフのB社のほうが1,600円ほど得していることになる。
 このように、還元率が高くても必ずしもポイント還元が得するわけではないので、十分注意しよう。

■1回目10万円+2回目2万円の商品を買う場合

 

●A社(20%ポイント還元)

【1回目】
現金10万円支払い+2万ポイント
【2回目】
2万ポイント支払い(現金支払い0円)+0ポイント

 

【1回目+2回目の支払い総額】
[-10万円]+[0円]=-10万円(0ポイント)

 

●B社(現金18%オフ)

【1回目】
現金8万2,000円支払い+0ポイント
【2回目】
現金1万6,400円支払い+0ポイント

 

【1回目+2回目の支払い総額】
[-8万2,000円]+[-1万6,400円]=-9万8,400円

文=塚本康裕/フリーライター

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