JR東日本が発行する交通系ICカード「Suica(スイカ)」を利用している人は多いと思います。でも、実は一定期間使っていないとロックされ、10年間一度も利用していないと失効してしまうのをご存じでしょうか? とくに記念Suicaなどは一度も使わずに10年経過してしまうことがあるので要注意ですね。そこで今回はSuicaの有効期限について解説したいと思います。
10年未使用のSuicaは完全に失効してしまうので注意!
関東に住む人ならJR東日本が発行する交通系ICカード「Suica(スイカ)」を利用している人は多いでしょう。
日本全国のJR路線やショップの支払いなどでタッチ決済ができるのは便利ですよね。しかし、Suicaの裏面には以下のような記載があるのをご存じでしょうか?
「機器等で最後の利用日から10年間利用がない場合は、失効します。また、一定期間機器等で利用がない場合、係員がカードを確認させていただくことがあります。」
つまり、Suicaを10年間まったく使わずに放置していると、完全に失効してしまい、使えなくなってしまうのです。
また、一定期間使わないとSuicaがロックされてしまうとあり、JR東日本では非公表ですが、どうやら6カ月程度で支払いができなくなるのです。
もちろん残高チャージするか、JR東日本の窓口でロックは解除できますが……。
実はこれ、Suicaに限らず首都圏の地下鉄などを中心に利用できる「PASMO(パスモ)」や、JR西日本の「ICOCA(イコカ)」など、全国の交通系ICカードは基本的に10年の有効期限が設定されているのです。
●PASMO「PASMO取扱規則」は→こちら
なお、JR東海の「TOICA(トイカ)」は、未使用で10年経過しても機器やシステムが対応できる間は引き続き使えるようにしているので、地域によって10年未使用後の対応は異なるようです。
●JR東海「TOICAについて」は→こちら
ちなみに、Suica定期券の期限とSuicaカードの利用期限はまったく別物です。定期券の期限を過ぎてもSuicaそのものは有効なので買い物での支払いはできますし、電車に乗る時はチャージしてある残高から支払いが行われます。
未使用で10年経過したSuicaはどうなる? 残高やデポジットも無くなるの?
10年間未使用のSuicaは失効してしまいますが、残高やデポジットの500円は戻ってこないのでしょうか?
でも心配はいりません。失効するのはあくまでもSuicaのカードであり、チャージしてある残高やデポジットは失効しません。
●JR東日本「長期間利用していないSuicaをお持ちのお客さまへ」は→こちら
まず、失効したSuicaはJR東日本の駅やみどりの窓口に行き、新しいSuicaに移し替えることが可能です。ただし、記念Suicaカードは回収され通常デザインのSuicaと交換されてしまいます。
もし、Suicaを新たに作りたくない場合は払い戻しを受けましょう。この場合も古いカードは回収され、残高から払い戻し手数料220円を引いてデポジットの500円と残高が返金されます。ただし、残高が0円の場合はデポジットのみが返金されます。
●JR東日本 Suica「払いもどし」は→こちら
特殊な記念Suicaの有効期限はかなり短いものも!
JR東日本では、2001年11月からSuicaが導入されていますが、普通に使っていれば未使用で10年経過することはありません。
しかし、JR東日本では過去に記念Suicaを発行しており、この場合は押入れに10年以上置きっぱなしになっていることもあるでしょう。
実は筆者も、2014年12月20日に東京駅が開業100周年を迎えることを記念して発売した「東京駅開業100周年記念Suica」を購入しました。
この記念Suicaは、当初は1万5,000枚の限定販売であったことから、発売日には東京駅に購入希望者が殺到し大混乱。急遽販売中止になるほどの人気ぶりでした。
その後、ネットでも予約できるようになり、3日間で170万枚の申し込みがあったそうなので、この記念Suicaを今でも持っている人は結構多いことでしょう。
なお、この東京駅開業100周年記念Suicaは専用台紙付きで1枚2,000円で販売されましたが、これにはデポジット500円とチャージ金額1,500円が含まれています。
筆者はおそらく2015年に買っているので、あと2年後の2025年には失効してしまうので、とりあえず1,500円の残高は使い切ってしまうつもりです。
ちなみに、記念Suicaのなかにはもっと特殊なものもあります。たとえば、2022年6月に1万5,000円で販売された「鉄道開業150周年 記念Suica」は、デポジットが含まれず残高もありません。
もちろん、自分でチャージすれば実際の駅や買い物で利用できますが、払いもどしや障害・紛失時の再発行、記名式への変更もできません。
鉄道開業150周年 記念Suicaは、あくまでも立派な盾付きのコレクターズアイテムなので、実際にチャージして使う人は少ないでしょうが、Suicaとしての機能の有効期限は2023年3月31日までとなっていることは覚えておきましょう。
●JRE MALL「鉄道開業150周年 記念Suica」は→こちら
まとめ
いかがでしょうか? 実はSuicaやその他の交通系ICカードに10年の有効期限があることはあまり知られていないと思います。
もちろん、日常的に使っていればSuicaが失効することはありませんし、失効してもカードが失効するだけで残高やデポジットが無くなるわけではないのですが、とくに記念Suicaは10年間使わずに放置している人も多いと思いますので、ご注意ください。