本業の給与とは別に「お金が欲しい」と思っている人は多いでしょう。まとまったお金を得る現実的な選択肢のひとつが「副業」です。しかし依然として全面的に副業を禁止している企業も多く存在します。隠れて副業したとしても、副業で所得が増えると住民税が上がるため、社員の代わりに住民税を納付している会社に副業がバレる可能性もあります。
そこで今回は「副業扱い」になりにくいお金の稼ぎ方と税制上の注意点について解説します。
今すぐ「まとまったお金が欲しい」人に試してほしいこと
「今すぐにまとまったお金が欲しい」「緊急でお金が必要になった」という場合、銀行や消費者金融に借りるのはリスクが高いと感じる人は多いでしょう。その場合におすすめなのが以下の2つの方法です。
・不要品販売で即金を得る
・ウーバーイーツなどの配達アプリで稼ぐ
ただし、これから紹介する方法でもお金が足りない場合は、緊急手段としてカードローンなども検討する必要があります。
キャッシングの前に知っておきたいことについては以下の記事をご覧ください。
不要品販売で即金を得る
不用品の売却はすぐにお金が欲しいときに一番リスクが少なく、手っ取り早くお金を調達可能。中でも、使っていないブランドものは質屋やブックオフ、フリマアプリなどで換金しやすいアイテムのひとつです。フリマアプリを使えば簡単に出品できるうえ、何がどのくらい売れているのかをリサーチしておけば売れやすくなります。
ブランド品の洋服、ゲーム機はある程度高額でも取引されています。高値で出品すれば、数万円から10万円程度の副収入を比較的早期に確保できるでしょう。
なお、メルカリで売れやすいアイテムの傾向については以下の記事をご覧ください。
ウーバーイーツなどの配達アプリで稼ぐ
もうひとつは、ウーバーイーツや出前館などの配達アプリで稼ぐ方法。アプリを使って仕事(配達リクエスト)を受けますが、登録から配達までスマホで完結するので自転車やバイクを持っている人におすすめ。簡単な手続きのみで始められます。
また、自分の好きな時間に働けるので、本業と両立しやすい点も魅力です。配達料は距離や時間帯によって変わりますが1回あたりの報酬は50~500円程度。ベテランになると時給2,000円を稼ぐ人もいます。
ウーバーイーツの稼ぎ方はこちらで詳しく解説しています。
長期的に「まとまった資産を確保したい」人に試してほしいこと
今すぐお金が必要でなくても、「会社の給与(本業)だけでは資産構築として不安」と感じている人も多いでしょう。その場合は、資産運用を視野に入れて考えてみましょう。副業禁止にしている会社であっても、不動産投資などの資産運用は副業扱いにならないケースもあります。
株・投資信託などの資産運用
株・投資信託などの資産運用は、基本的に副業にならないことが多いため資金を増やす方法としては効果的です。適切な知識と戦略を持って運用すれば、長期的な利益を得られる可能性があります。ただし、すぐにまとまった資金を集めるのには向かないため長期的な目線での運用が必要です。
ただし、資産運用で利益を得たいなら元手となる資本の準備や投資に関する専門知識が必要。準備をせずに始めると損失を出す可能性があるため注意が必要です。
なお、ビットコインなどの暗号資産の取引口座は特定口座ではないケースが多いですが、利益は雑所得扱いになります。そのため20万円を超える利益が発生した場合は、確定申告が必要です。
会社によっては不動産投資は「副業ではない」扱いとなることも
資産運用として人気の不動産投資も、会社によっては「副業」扱いにされない場合があります。
また、親や親族が保有していた不動産を譲り受けるケースもあり防ぎようがないというのも副業にあたらない理由のひとつです。副業を禁止している企業や会社でも、不動産賃貸は例外的に許可されていることがあるので確認してみましょう。不動産投資では、賃貸収入などの副収入が得られる可能性があります。
なお、基本的に副業禁止の公務員も不動産投資できる可能性があります。国家公務員に対する規則が記された「人事院規則」によると、不動産または駐車場の賃貸や太陽光電気の販売においては、申請書を提出のうえ自営と認められれば、これらで副収入を得ることができます。
もし会社が副業禁止でも、本業に影響しない程度の収入でお小遣い稼ぎをすることは可能です。以下で、お小遣い稼ぎにぴったりな3つの方法を紹介します。
アンケートモニター・商品モニター
アンケートモニターや商品モニターとは、インターネット上でアンケートに答えたり、商品を試したりして報酬を得る仕事です。登録したサイトからメールで案件が届くので、空いた時間にスマホやPCで作業できます。報酬は現金やポイントや商品券などアンケートやサイトによってさまざまですが、1回あたり数十円~数百円程度稼げます。
アンケートモニター・商品モニターでの稼ぎ方について詳しくはこちらで解説しています。
ポイ活
主婦層などに人気のポイ活は、ポイントサイトやポイントアプリを利用してポイントを貯める活動のこと。ポイントサイトやポイントアプリを通じて買い物したり広告をクリックするだけでポイントが貯まります。さまざまなサービスに登録することで高額ポイントをゲットしたり、ゲームをしながら楽しくポイントを貯められます。
貯めたポイントは現金や電子マネーに交換でき、1日数分~数十分程度の作業で月に数千円~数万円程度稼げます。
なお、ポイントアプリでの稼ぎ方についてはこちらで詳しく解説しているので参考にしてください。
レシート買い取りアプリで現金化
日々のお買い物で受け取ったレシートを買い取ってくれる「レシート買い取りアプリ」もお小遣い稼ぎにぴったり。発行されたレシートをアプリで撮影して送信するだけで報酬が得られます。
レシート売買アプリについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
副業にならないお金の稼ぎ方の税制上の注意点
副業にあたらないようにお金を稼ぎたいなら、税制上の仕組みを理解することが重要です。とくに、以下の点に注意しましょう。
・副収入分の住民税は自分で納める「普通徴収」にする
・給与所得以外の所得は「20万円以下」に抑える
副収入分の住民税は普通徴収にする:住民税の申告方法は?
住民税が増えて副業がバレるのがよくあるパターン。バレるのを避けるためには、会社に住民税を納めてもらうのではなく、自分で納付する「普通徴収」を選ぶ必要があります。
本業以外の所得を「20万円以下」に抑える:20万円を超えるなら正式な副業許可を得る
先述した通り、副業の所得が年間20万円以下の場合、確定申告の必要はありません。
しかし、副収入を「20万以下に抑えた」からといって、決して会社に副業がバレないわけではありません。経理担当者が給与所得等に係る市民税・県民税 特別徴収税額の決定通知書を見た際に、他の所得の存在に気付きバレてしまう可能性もあります。
なお筆者としては、遅かれ早かれ本業以外の収入が「20万円」を超える可能性がある場合は、会社から正式に副業の許可をもらえないか交渉してみることをおすすめします。企業や業界によっては副業が禁止されているケースが多いですが、前述の通り「不動産投資は例外的に許可される」など例外もあるため、まずはかけあってみましょう。
正式に副業の許可をもらうためのコツと注意点
正式に副業の許可をらえれば、安心して自由に副業で収入を得ることが可能です。ここでは副業の許可をもらうための3つのコツと守るべき注意点を紹介します。
副業する理由を明確にする
副業やお金を稼ぎたい理由は人それぞれですが、会社に許可をもらう場合は理由を明確にしておく必要があります。おすすめは「家族や自分の将来のために貯金したい」「スキルアップやキャリアチェンジを目指している」「自分の趣味や好きなことを仕事にしたい」などです。本当の理由であっても会社や上司に不満・不信感を抱いているという理由は避けるようにしましょう。
本業に支障が出ないことを約束する
多くの会社で副業禁止の理由になっているように、副業によって本業に支障がでないことをあらかじめ約束しておくことが大切です。「本業の時間帯や場所で副業しない」「本業よりも優先度が低いと認識している」「本業の成果や評価に影響しない」「本業と副業の時間や内容を透明化する」など具体例をあげて交渉しましょう。
競業関係や情報漏洩のリスクがないことを確認する
副業によって、競業関係や情報漏洩のリスクがないことを会社や上司に確認することも重要です。「本業と同じ業界や業種の会社や個人とは関わらない」「本業で得た情報やノウハウを副業に利用しない」「本業と副業の間で利益相反や利害対立が起きない」などに注意する必要があります。これが守れなければ、会社から損害賠償請求や解雇処分を受けるなどのリスクがあるため注意しましょう。
「お金を稼げる」と謳う怪しいサイト・アプリには注意
手っ取り早くお金を稼げる方法を探しているからといって「月に〇〇円稼げる!」といった怪しい謳い文句には決して手を出してはいけません。稼ぎ方に関する甘い言葉はSNSやネット上に多く溢れています。とくに「誰でも、簡単に稼げる」「登録・ダウンロードするだけ」「ほっとくだけ」など、簡単に数十万円稼げるといった宣伝をしているサイト・アプリのほとんどが、「お金が欲しい」「お小遣い稼ぎがしたい」という気持ちに漬け込んだ詐欺です。冷静な判断が重要です。
まとまったお金を確保するには「節約」も重要
副業で収入を増やしても出費が多ければ、まとまったお金は手に入りません。お金を貯めたいなら、節約をして支出を減らしたうえで収入を増やす計画を立てましょう。
無駄な出費がないか見直す
固定費を減らすと無駄な出費がなくなります。収入に対して住んでいる部屋の家賃が高すぎないか? 月々の飲食費で減らせるものはないか? など無駄な出費を見直しましょう。
本当にお金が必要なのかを考える
そもそも「なんのためにお金が必要なのか?」「お金を稼ぐ以外でその目的は果たせないのか?」などを考えることも大切です。危険な副業をしたり、働きすぎて体を壊す前に、親族に頼ることはできないか? 国や自治体の社会保障を利用することはできないか? なども考えてみましょう。
まとめ
副業していることを会社にバレないようにするなら、確定申告時の住民税の納付方法を「自分で納付」に変更しましょう。また、20万円以内の副収入であれば確定申告の必要はありませんが、20万円を超えると確定申告をしなければいけません。
まとまったお金を手にしたいなら、収入を増やしたうえで節約をするなどお金の使い道についても見直すようにしましょう。
監修日:2023年5月25日