投資初心者は何から始める?NISA、投資信託から国内株式、米国株まで完全ガイド

「貯蓄から投資へ」というスローガンで、政府も推奨している投資。しかし、投資を始めたくても、「損をしてしまうのではないか」「なにを買ったらいいか分からない」という投資初心者の方も多いでしょう。

この記事では、投資初心者に向け、知っておくべき基礎知識や商品の選び方をわかりやすく解説します。

【目次】

初心者が投資を始めるための完全ガイド
STEP1:投資の基本を理解する
STEP2:初めての投資に向けての準備
STEP3:基本的な投資商品を理解する
STEP4:税制優遇制度で投資を始める
STEP5:積立NISAの始め方と選び方を学ぶ
STEP6:株式投資の仕組みや進め方を理解する
STEP7:米国株投資の始め方
まとめ

初心者が投資を始めるための完全ガイド

投資とは、お金を働かせて将来的に利益を得ることです。しかし、投資にはリスクもあります。失敗すれば、元本が減ったり、すべて失ったりする可能性もあります。そこで、初心者が投資を始めるためには、以下のことを押さえておく必要があります。

・投資の基本を理解する
・初めての投資に向けての準備
・基本的な投資商品を理解する
・税制優遇制度で投資を始める
・積立NISAの始め方と選び方を学ぶ
・株式投資の仕組みや進め方を理解する
・米国株投資の始め方

投資とは何か?種類とリスクを知る

投資とは、余裕資金を適切な金融商品に投じ、価格上昇や利息・配当を通じて利益を得る行為です。投資にはリスクが伴うため、リスク許容度を把握し、自己責任で行うことが重要です。

一般的にiDecoや債券はローリスク・ローリターン、投資信託や金プラチナはミドルリスク・ミドルリターン、株式投資などはミドルリスク・ハイリターン、仮想通貨や不動産投資はハイリスク・ハイリターンと言われます

STEP1:投資の基本を理解する

投資を行う前には、まず投資の基本を理解する必要があります。このステップでは、以下の投資の基本知識について解説します。

①金融商品のリスクとリターンについて
②投資の3つの鉄則

①金融商品のリスクとリターンについて学ぶ

金融商品はリスクとリターンがセットになっています。一般的に、リスクが高い商品ほどリターンも高い傾向にあります。

たとえば「国内債券」を中心に投資を行えばリターンは小さいですが、リスクも小さいです。一方で投資対象を「海外株式中心」にするとハイリスクですが、リターンも大きいです。では「国内債券」と「海外株式」を両方買うとして、どれくらいの割合で投資すべきか?いくら投資すべきか?こうしたことを考えるのが投資の醍醐味の1つです

②投資の3つの鉄則:分散投資、長期投資、積立投資を理解する

投資の3つの鉄則とは以下の通り。

1)分散投資:リスクを分散させる
2)長期投資:中長期的な視点で投資する
3)積立投資:定期的に積立投資を行う

長期的に投資をすることで複利効果によって投資額を年々増やすことができます。そしてコツコツ積立することで、投資タイミングを分散できます。たとえば株式が世界的に値下がりしたタイミングでもコツコツ積み立てることでより多く購入でき、値上がりしたときにはそれらが利益を生み出します。そしてバランスよく様々な商品を買うことで1つが下がっても他のものでカバーできます

投資初心者の方は「複利」という言葉に馴染みが無いかもしれません。複利とは、投資で得た利子を元本に加えて再投資すること。例えば、1年で200万円投資し10万円の利益が出たとしましょう。その翌年はその利益を上乗せした210万円を元本として投資を行います。するとどんどん元本が増え、利益も増えていきます。

STEP2:初めての投資に向けての準備

次のステップでは、初めての投資に向けた準備を行いましょう。

①初心者におすすめの投資商品と投資法を学ぶ
②証券口座の開設と選び方を理解する

①初心者におすすめの投資商品と投資法を学ぶ

初心者には、投資信託や積立NISAなどのリスクが比較的低く、手軽に始められる投資商品と投資法がおすすめです。初心者の方がたとえば株式投資を始める場合、複数社の株の価格を調べ、いくらで指値注文を入れるべきかを考えるのは手間。最終的に分散できても数社程度で、あまり分散効果が大きくないことがあります。

その点、投資信託であれば長期・分散・積立の3つが揃った投資を手軽に始めやすいためです。

ちなみにNISAは「投資信託の非課税枠」に該当します。「積立投資」とは投資信託を毎月購入する投資方法で、つみたてNISAではそのうち規定の範囲が非課税枠となります

②証券口座の開設と選び方を理解する

証券口座は、投資を行うために必要な口座です。手数料やサービス内容に注目しながら、自分に合った証券会社を選びましょう。

たとえば楽天証券では株式取引の取引手数料の1%がポイントバックされたり、楽天カードで投資信託の積立を決済するとポイントバックが行われます。「楽天経済圏」の恩恵を受けたい方には、おすすめの証券会社の1つです

(画像引用元:楽天証券

STEP3:基本的な投資商品を理解する

準備が完了したら、基本的な投資商品について理解しましょう。

①投資信託とそのメリットについて学ぶ
②株式投資の基本とリスクを理解する

①投資信託とそのメリットについて学ぶ

投資信託は、多数の投資家から集めた資金を様々な金融商品に投資するものです。

初心者にとってはたとえば「海外株式」「国内株式」「国内債券」の組み合わせやポートフォリオを考えるのは難易度が高いもの。投資信託には専門家による運用と分散投資のメリットがあり、なおかつ少額から積み立てられるので初心者にもおすすめです

②株式投資の基本とリスクを理解する

株式投資は企業の所有権を示す株式を購入し、その価格上昇や配当から利益を得る投資法です。

株式を購入することで、株主には配当金や株主優待、議決権などの権利が発生します。これらは投資信託では得られない、株主ならではのメリットです

しかし、経済状況や企業の業績により価格が変動するリスクがあります。基本的には、まずはNISAを含む「投資信託」から始めつつ、慣れてきたら少しずつ株式投資にもチャレンジしていくのがおすすめです。

STEP4:税制優遇制度で投資を始める

初めての投資では、リスクのある投資よりもFXや不動産投資、株式投資などよりも、税制優遇のある積立NISAやiDeCoがおすすめです。

①NISAと積立NISAの仕組みを学ぶ

NISAと積立NISAは、特定の金額までなら投資利益に税金がかからない制度です。

一般的に投資を行うと「運用益」に課税が行われます。課税の税率は20.315%。手元には8割程度のお金しか残りません。しかしNISAは20.315%の課税が0%となるため、運用益が2割増えることに相当します

なお2024年からは新NISAが始まります。従来のNISAとの違いは以下の通り。従来のNISAと比べて、制度が恒久化され、なおかつ投資額も大きくなるため投資を始めたい方にとって利益が大きいです。

  現行NISA制度 新NISA制度
つみたてNISA 一般NISA つみたて投資枠 一般投資枠
制度併用 どちらかを各年毎に選択(併用不可) 各年とも併用可能
年間投資枠 40万円 120万円 120万円 240万円
年間投資総額 40万円 120万円 360万円
非課税保有期間 20年 5年 無期限化
非課税保有限度額(総枠) 800万円 600万円 1,800万円
(成長投資枠は1,200万円)
口座開設期間 2042年まで 2028年まで 恒久化
売却時の限度額 翌年から売却分の投資枠の再利用が可能
対象年齢 18歳以上の成人 18歳以上の成人
買付方法 積み立てのみ 一括・積立 積み立てのみ 一括・積立
対象商品 金融庁の指定基準を満たした投資信託 株式・投資信託・ETF 現「つみたてNISA」対象商品と同じ 株式・投資信託・ETF
(一部除外)

②iDeCoの特徴とメリットを理解する

iDecoは、老後に資金を受け取るまで非課税で運用することが可能です。掛金は全額所得控除の対象であり、所得税や住民税の税額を計算する際の収入(所得)から差し引くことができます。

ただし、運用益は再投資され、積み立てたお金は原則60歳まで引き出すことができません。老後まで使う予定のないお金以外は投資しないように注意しましょう。

③自分に合った税制優遇制度を選ぶ

NISAやiDeCoなどの税制優遇制度は、自分のライフスタイルや目標に合わせて選びましょう。ただしもし「NISAとiDeCo、まずはどちらか1つを始めたい」かつ「60歳より前に運用益を得たい」場合は、NISAから始めることをおすすめします。

この2つの税制優遇制度はどちらも優れていますが、NISAの方がより投資として積極的に運用がしやすく、なおかつ難易度も低く、早期に利益に繋がる可能性も高いです。

STEP5:積立NISAの始め方と選び方を学ぶ

投資初心者でも始めやすい積立NISAですが、始め方や商品の選び方のポイントを押さえておく必要があります。

①口座開設のやり方と金融機関選びのポイントを確認する

積立NISAを始めるためには、証券会社でNISA口座を開設する必要があります。実はNISAには様々な種類があり、すでに廃止予定の制度もあります。従来のNISA口座を保有している人は、口座切替の依頼書の提出も必要なケースがあります。

以下のフローチャートに沿って、自分の状況にマッチした口座開設のやり方をチェックしてみてください。

たとえば従来のNISA口座を持っておらず、金融機関に証券総合口座自体を持っていない場合は、金融機関で証券口座とつみたてNISA口座の開設を行う必要があります。なおNISAは多くの金融機関で扱っているため、自分のメインバンクの窓口で相談してみるのも良いでしょう。ポイント還元率や利便性なども意識する場合は、先述の通り楽天証券もおすすめです

②積立設定の方法を理解する

積立設定では、毎月の積立額や投資信託の選択などを行います。リスクとリターンのバランスを考えながら、自分のライフスタイルや目標に合った設定をしましょう。

20年間運用した場合 月1万円 月3万円
積立総額 積立総額+運用益 積立総額 積立総額+運用益
年利3% 240万円 327万6605円 720万円 982万9816円
年利5% 240万円 407万4577円 720万円 1222万3733円

できれば月3万円程度、20年間ほど積立投資ができると老後に向けて頼もしい額が貯まるでしょう。

STEP6:株式投資の仕組みや進め方を理解する

この記事をお読みの方の中には、NISAとiDeCoだけでなく、株式投資にも挑戦してみたい方も多いのではないでしょうか。

投資信託では「株主優待」「配当金」「議決権」などは得られないため、株式投資でしか得られない面白さがあることもまた事実です。株式投資を始める前に知っておきたい初歩的な知識を参考までに紹介します。

①株式市場の分類と動きを理解する

まずは国内株式について見ていきましょう。株式投資と言っても、株式市場自体が国内だけでも多岐に渡ります。たとえば東証はプライム、スタンダード、グロースなどに分類されています。

プライム市場は、世界各国の投資家との建設的対話を中心にしている企業向けの市場です。スタンダード市場は十分な流動性とガバナンス水準をその市場の投資対象として備えている企業向けの市場で、グロース市場は成長性の高い企業向けの市場です

つまり国内株式に投資する際にも「スタンダード市場の銘柄」を狙うのか、「グロース市場の銘柄」を狙うのかで大きく投資方法は変わります。分散投資の視点で見ると安定的な大企業の銘柄と成長銘柄をバランスよく保有するのがおすすめ。

ちなみに株式取引は基本的に平日の日中ですが、ネット証券によっては夜間も取引可能です。

②株式の注文方法を学ぶ

株式の注文方法は主に指値注文と成行注文です。指値注文は希望価格での取引を目指す一方、成行注文は即時に取引を行います。初心者は指値注文がおすすめです。

③株主優待や配当金について学ぶ

株式投資の醍醐味は株主優待や配当金です。

たとえば日本マクドナルドでは、バーガーやサイドメニュー、ドリンクの引換券を年2回、持ち株数に応じて受け取れます(ロゴ画像は「マクドナルド」公式サイトより引用)

このように、長期保有を前提に「自分が普段よく利用するお店や企業の株」を、優待や配当金を目当てに購入するのも株式の大きな楽しみです。

STEP7:米国株投資の始め方

米国株は高い成長力を持っており、国内株よりもローリスクといわれています。その理由は米国の経済は日本よりも右肩上がりで継続的に成長しているため。その反映として米国株の指数も長期的に上昇傾向にあります。

①米国株投資の始め方とリスクを理解する

米国株は多くの成長企業が存在し、株価上昇も期待できます。また一株単位なので意外と購入がしやすく、売買手数料もそれほど高くないです。また配当回数が多いことも大きな特徴で、配当金狙いの場合にも向いています。

日本株と米国株の制度や決算の違いは以下の通り。

項目 日本株 米国株
株式コード 4桁の数字 アルファベット(ティッカー)
値幅制限 あり なし
単元株 100株 1株
売買手数料(ネット証券) 100万円まで0円 0~22米ドル
売買可能時間(日本時間) 9~15時 23時半~6時
決算期 3月期決算が多い 12月期決算が多い
配当回数 年1~2回 年4回
業績予想 発表する 発表が少ない

しかし、外国為替リスクや企業の業績変動などリスクもあるため注意しましょう。

②米国株投資の長期保有銘柄の例

米国株は優良銘柄を買い付けることができれば、時期による株価の上下動やドル円の変動で一時的なマイナスこそあっても、長期的にはプラスになることが多いです。長期保有を前提とする場合、注目の銘柄は以下の3つです。

・ビザ(V):日本でもおなじみのクレジット決済世界トップブランド。
・ナイキ(NKE):高いブランド力と製品開発力で世界No.1のスポーツメーカー。
・コストコ・ホールセール(COST):日本でも高い人気を誇る有料会員制の量販店。

まとめ

この記事では、初心者が投資を始めるために知っておきたい情報をまとめました。初めて投資する場合は、NISAやiDecoなどで長期・分散・積立の3原則に沿った投資から始めるとよいでしょう。慣れてきたら、もう少しリスクの高いものに挑戦してみるのもおすすめ。ただし、投資はあくまで余剰資金で行うようにしましょう。

オトナライフ編集部
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