株式や投資信託における税金優遇制度の「NISA」(少額投資非課税制度)。新たな資産管理の形が次々と生まれる中、世間では「NISA」についてどのように考えられているのでしょうか。MMDLabo株式会社が運営するMMD研究所は、18歳~69歳の男女5000名を対象に、「NISAに関する調査」を行ないました。その結果が公開されたので見ていきましょう。
性年代別のNISA認知率が最も高かったのは60代男性!
まずは「NISA」の認知率を調査。すると、「現在利用している」が24.8%、「現在は利用していない(口座を解約)」が3.6%、「NISA口座を持っているが1度も投資していない」が2.8%で、全体の3割の人が実際に口座を開設した経験があることがわかりました。
さらに、「知っていて、内容を理解している(口座は持っていない)」との回答は14.4%で、「言葉を聞いたことがあるが、内容は知らない」という回答は34.1%。両回答を合わせると、約8割(79.7%)の人が「NISA」」という言葉自体は知っているという結果になりました。
性年代別で見ると、認知率が最も高かったのは60代の男性で89.2%、現在利用しているという人が最も多かったのは30代男性で32.7%でした。概ね年代が上がるとともに、認知率も高くなっているようです。
開設した口座では「ネット証券」が44.9%でダントツの1位
同調査では、NISA口座所有者1507名を対象に「NISA口座を開設したことがある金融機関」もリサーチ。その結果、「ネット証券」がダントツの1位で44.9%でした。続いて2位が「店舗型証券」の12.0%、3位が「メガバンク」の10.6%、4位が「地方銀行」の10.0%となっています。
「ネット証券」を開設した理由については、「投資信託の手数料が無料・安いから」(35.6%)、「口座開設が簡単だから」(27.6%)、「アプリで確認ができるから」(19.6%)といった回答が高い割合を占めており、手軽さや手数料の安さが重視されているようです。
NISA口座開設経験者677名を対象に、「NISA口座を開設したことがあるネット証券」を調査したところ、1位の「楽天証券」が47.1%、2位の「SBI証券」が39.6%で、3位の「マックス証券」(10.3%)以下を大きく引き離す結果に。楽天には銀行やモバイル、ECサイトなどのサービスもあり、知名度や他サービスとの連携などが総合的に評価されているのかもしれません。
続いて“NISAの利用を検討している”という841名を対象に、「NISA口座を開設したい金融機関」を調査。「決めていない」(42.9%)との回答を除くと、ここでも「ネット証券」が21.0%で1位にランクインしており、2位の「メガバンク」(10.7%)とおよそ2倍の差をつけていました。
「ネット証券」でNISA口座を開設したい理由については、「口座開設が簡単だから」(41.2%)、「投資信託の手数料が無料・安いから」(30.5%)、「アプリで確認できるから」(24.9%)などの回答が高い割合に。先ほどの「ネット証券を開設した理由」と同様に、ここでも手軽さや手数料の安さが重視されていることがわかります。
続いて、「NISA開設口座を開設したいネット証券」を調査すると、開設経験者と同様に、1位の「楽天証券」(40.7%)と2位の「SBI証券」(28.8%)が、「SBネオトレード証券」(4.5%)など他のネット証券を大きく引き離す結果となりました。トップ2に輝いたネット証券は、実際に利用している人が多く、経験者の声が聞ける点も安心材料の1つなのかもしれません。
「新NISA」の利用を検討していない人は76.5%…大きな理由は「余裕資産がない」
最後に、男女5000名に2024年1月から始まる「新NISA」の認知について調査を実施。すると「知っていて、内容を理解している」という人が21.2%、「言葉を聞いたことがあるが、内容は知らない」という人が32.3%で、全体の認知率は53.4%でした。「新NISA」への認知率は現行に比べるとまだ低く、今後もっと周知させていく必要がありそうです。
「現行のNISAを利用していない」という3580名を対象に、新NISAの利用を検討しているか調査したところ、76.5%の人が「検討していない」と回答。その理由として、「余裕資産がないから」(30.3%)、「NISAや投資について自分の知識がないから」(21.7%)、「難しそうだから」(21.6%)、「損失が出るかもしれないから」(20.4%)、「面倒くさそうだから」(18.4%)など、様々な懸念点があがっています。
「NISA」をうまく利用すればメリットが得られる可能性もある反面、資産や知識などもある程度要する点から、“ハードルが高い”と感じている人はまだまだ多いようです。
出典元:【MMD研究所】