「顧客サポート調査2023」の調査結果から、「デジタルサポート価値」のランキングが発表され、ランキング1位は4年連続となる楽天カードだった。「デジタルサポート価値」とは、各企業の公式サイト、公式アプリ、公式アカウントを利用して問題解決した回数をアンケートから推定し、これを仮に電話対応していた場合を金額換算したもの。
楽天カードは188億の「デジタルサポート価値」があったという結果だったので、デジタルサポートによって188億円分コストが浮いたことになったことがわかる。
企業のコストカットを表した「デジタルサポート価値」のランキングが発表!
調査・分析機関であるトライベック・ブランド戦略研究所が「顧客サポート調査2023」の調査結果から「デジタルサポート価値」ランキングを発表した。「デジタルサポート価値」と聞いてもピンとこないと思うが、これは企業のサポートサイトや公式アプリ、LINE公式アカウントを利用して問題解決した回数を調査から割り出し、仮にこれらのデジタルサポートがなく、コールセンターで電話対応した場合のコストを金額換算したものだ。
なので、デジタルサポート価値とはすなわち、デジタルサポートによって企業が浮かすことができたコストのことだ。計算式は「デジタルサポート上での推定問題解決回数」と「コールセンター単価」を掛けたもので、コールセンター単価は、委託業者の委託費用を参考に2,000円と設定した。
2023年の「デジタルサポート価値」ランキングの第1位は、4年連続となる「楽天カード」だった。これは、医療業界や運輸・旅行業界や金融業界など22分野150企業の中のトップだ。楽天カードは、ポイントの貯まりやすさという点で利用者のメリットが大きく、休眠会員が少ないことも特徴の1つだ。読者の中でも楽天カードを利用しているという人は多いだろう。
1位を獲得した背景には、楽天ペイなどの楽天グループの各種サービスを利用することにより、さらにお得さが増すのでサービスの連携方法の確認など、サポートを必要とする機会が多かったこともあるだろう。また、利用者が多いと、それにともなってサポートを必要とする人数も比例して増えるので、そういった面も要因の1つだろう。
さらに、電話サポートを好む高齢者層の利用率は、他の企業に比べるとやや少なめかもしれず、デジタルサポートに抵抗がない利用者が多いということも考えられる。
ランキングの2位は「PayPay」でその価値は125億、3位はドコモで113億、4位は楽天銀行で110億、5位がパナソニックで98億と続く。
まとめ
企業にとっては、かなり大きなコスト削減だが、働き手にとってはこういった仕事はAIに移行されていき、どんどん働く場の選択肢が減っていることも想起させる。デジタルサポートによる利便性や顧客満足の向上は間違いなくメリットだと思うが、少しさみしい気もしてしまうのは、筆者だけだろうか。
出典元:【トライベック・ブランド戦略研究所】
出典元:【ブランド戦略通信 1 / 2】