人生は山あり谷あり。職を失ったり、病気やケガで収入が激減することだってある。そんなときには、国民年金の保険料が重い負担になってくる……。でも、未払いはよくない。保険料を支払えない相応の理由があるなら「保険料免除」や「納付猶予」を受けないと大損だぞ!
国民年金は放置せず「免除」や「猶予」手続きしよう!
フリーターや自営業の人は国民年金に加入することになっているが、突然、失業したり病気やケガなどで働けず収入が激減し、保険料の支払いが難しくなる場合もある。そんなとき、保険料の支払いを勝手に止めてしまうのはよくない。
実は、国民年金には保険料の支払いが困難なときに適用される「保険料免除(免除)」や「納付猶予(猶予)」の制度が設けられている。もし、「免除」や「猶予」が認められると、その間は未納扱いにならず、年金受給資格取得に必要な10年の「資格期間」としてカウントしてくれるのだ。しかも、会社倒産による解雇や事件・事故などでのケガ、健康被害といったケースでは、老齢基礎年金の受給金額もある程度は、保険料を支払ったものとして反映してくれる場合もあるのである。
「免除」や「猶予」の対象となる条件は想像以上に幅広く、低所得以外にも、鬱などの病気、配偶者からDV(暴力など)といったものまでも認められている。特殊な事情であっても、「免除」や「猶予」の対象にならないか、年金事務所で相談してみよう。
【国民年金の免除や猶予の条件】
■保険料免除
所得が少なく本人・世帯主・配偶者の前年所得が一定額以下の場合や失業した場合など、保険料を納めることが難しい場合に免除される。免除される額は、全額、3/4、1/2、1/4の4種類がある
■保険料納付猶予
20歳から50歳未満で、本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合は、保険料の納付が猶予される。
■学生納付特例
学生は、申請により在学中の保険料の納付が猶予される。本人の所得が一定以下の学生が対象となる。なお、家族の方の所得の多寡は問われない
(Image:Shutterstock.com)
年金の「免除」や「猶予」の条件は幅広く、鬱などの病気、配偶者からDV(暴力など)といったものまでも認められている場合もあるという
年金をもらえるかどうかは将来の生活に大きな影響がある!
国民年金の「保険料免除」や「納付猶予」制度が適用されれば、10年の「資格期間」にカウントしてもらえるが、その期間の分だけ将来もらえる年金額は少なくなってしまう。だが、何の手続きもせず保険料未納を続けると、老齢基礎年金の受給資格(最低10年)を失ってしまう可能性があるし、最悪の場合は資産を差し押さえられてしまう場合もある。さらに、ケガや病気をした場合にもらえる「障害年金」やアナタが亡くなった場合に家族がもらえる「遺族年金」を受ける資格も失ってしまうのだ。
もし、失業、ケガ、病気などで保険料の納付が困難になったら放置せず、まずは年金事務所に相談して「免除」や「猶予」制度を適用できるか相談しよう。
●日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」は→こちら