自動車税とは、年に一回、4月1日時点の車の所有者が支払わなければならない税金です。税額は車種や用途、排気量によって異なり、自動車税は都道府県税、軽自動車税は市町村税になります。
(画像引用元:チューリッヒ保険会社公式サイト)
今回は自動車税はいつまでに支払う必要があるのか、また延滞金はかかるのかなどについて解説します。
そもそも自動車税はいつ支払う?
自動車税の支払いの期限は、原則として毎年5月31日となっています。
自動車税の金額と支払い方法
自動車税の金額は、排気量や新車登録した年度によって異なります。
自家用の乗用車の排気量別税額は、以下の表の通りです。
排気量 | 2019年9月30日以前 新車登録 |
2019年10月1日以降 新車登録 |
新車登録から 13年以上 |
電気自動車 | 29,500円 | 25,000円 | 29,500円 |
1,000cc以下 | 29,500円 | 25,000円 | 約33,900円 |
1,001~1,500cc | 34,500円 | 30,500円 | 約39,600円 |
1,501~2,000cc | 39,500円 | 36,000円 | 約45,400円 |
2,001~2,500cc | 45,000円 | 43,500円 | 約51,700円 |
2,501~3,000cc | 51,000円 | 50,000円 | 約58,600円 |
3,001~3,500cc | 58,000円 | 57,000円 | 約66,700円 |
3,501~4,000cc | 66,500円 | 65,500円 | 約76,400円 |
4,001~4,500cc | 76,500円 | 75,500円 | 約87,900円 |
4,501~6,000cc | 88,000円 | 87,000円 | 約101,200円 |
6,001cc~ | 111,000円 | 110,000円 | 約127,600円 |
自動車税は、自治体の窓口やコンビニでの現金納付や口座振替のほか、ペイジー、クレジットカード、LINE PayやPayPayなどスマホ決済アプリで支払うことができます。ただし、自治体によっては、一部の支払い方法が利用できない場合があります。なおスマホ決済アプリやクレジットカードでの支払いには手数料がかかる場合があるため、注意が必要です。
自動車税はいつまで滞納できる?期間と延滞金
前述したように、自動車税の納付期限は通常毎年5月31日です。自動車税を滞納すると、自動車税に加えて延滞金が発生します。自動車税の延滞金は、滞納した自動車税の金額に対して、令和5年度(2023年度)の場合、納付期限の翌日から1カ月以内は年率2.4%、1カ月以上経過した分には年率8.7%として算出されます。
また自動車税が未納付の場合、車検を通せなくなるほか、自治体によっては滞納を続けると最終的に銀行口座や給料などの財産に差し押さえが行われる場合があります。
ただし、自動車税の延滞金を含む地方税は、1,000円未満の場合、全額切り捨てられて計算されるため、支払う必要がありません。要は延滞金が1,000円以上になるまでは、実質的に支払わなくて済みます。
前述したとおり車によって自動車税額が変わってくるため一律には言えませんが、おおよそ延滞期間が3カ月程度であれば、延滞金は1,000円に達しない場合が多いでしょう。この点の計算方法については後半でより詳しく紹介します。
【詳細】納期限を過ぎたら延滞金がかかる?
延滞金の計算方法や、実際に1000円以上の延滞金が発生する場合の例について解説します。
延滞金の計算方法や年率は?
自動車税の延滞金の計算方法は、令和5年度(2023年度)の場合、滞納した自動車税の金額に対して、納付期限の翌日から1カ月以内は年率2.4%、1カ月以上経過した分には年率8.7%で計算します。
延滞金の算出方法を計算式にすると、
〔自動車税の税額 × 年率2.4% × 納期限の翌日から1カ月以内の日数 ÷365日〕
+
〔自動車税の税額 × 年率8.7% × 納期限の翌日から1カ月を経過した日以降の期間 ÷365日〕
=延滞金、になります。
1000円以上の延滞金が発生するのはいつから?計算例
地方税法 第20条の4の2第1項では、「地方税の課税標準額を計算する場合において、その額に1,000円未満の端数があるとき、又はその全額が1,000円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる」とされています。つまり、延滞金が1,000円未満の場合は全額切り捨てられ、支払う必要が生じません。なお、自治体によっては切り捨てられる額が1,000円以上に設定されている場合もありますが、1,000円未満を切り捨てることは法律上決まっています。
とすると、「延滞金が1,000円以上になるのはいつからなのか」も気になりますよね。その自動車が普通自動車なのか軽自動車なのかなどによっても細かく異なりますが、今回は3,000~3,500ccの車を例に計算してみましょう。
2019年9月30日以前に新車登録された3,000~3,500ccの自家用乗車の自動車税は、58,000円です。これを元に2023年5月31日を自動車税の納付期限として月末時点の延滞金を計算すると、以下の表のようになります。
期間 | 6月末 | 7月末 | 8月末 | 9月末 |
延滞金累計額 | 114円 | 542円 | 970円 | 1,384円 |
この自動車税額の場合、9月3日あたりで延滞金が1,000円を超えることになります。つまり、遅れたとしても8月末までに自動車税を納付すれば、実質的に延滞金を支払わずに済ますことができます。
自動車税を滞納した時の差し押さえの流れ
自動車税を滞納した場合、以下のような流れで差し押さえが行われる可能性があります。
まず、納付期限から20日以内に都道府県または市区町村から自動車税の督促状が送付されます。それでも支払わない場合は、警告の意味を込めて催告書を送付する自治体が多いです。法律上は督促状送付日から10日経過しても支払わないと財産の差し押さえが可能となり、最終的に差押予告通知書が届き、財産が差し押さえられます。なお自治体によって督促状の送付時期や猶予期間が異なる場合があります。
催告書を無視し続けるのは危険!
催告書を無視し続けると、最終的に財産を差し押さえられます。差し押さえの対象は、現金や銀行口座預金、給料、自動車などの財産になります。給与を差し押さえられた場合は勤務先に自動車税を滞納していることがバレてしまいますし、自動車を差し押さえられた場合は競売にかけられてしまいます。催告書を無視し続けるのは絶対にやめましょう。
自動車税の支払いが厳しい際の対処法
すぐに自動車税を納付することが難しい場合でも、自動車税納付通知書に記載された都道府県納税事務所もしくは役所の税務課に早めに相談しましょう。
地方税法上、たとえば災害の被害を受けた場合や病気になったときなど、納税の猶予や1年以内の分割納付が認められる場合があります。
まとめ
今回は自動車税を滞納した場合、延滞金が1,000円を超えて実際に支払わなくてはいけない時期はいつ頃なのかなど、延滞金の計算方法について具体例を交えて解説しました。排気量2,500ccを超えると5万円超とまとまった金額の納付が必要な自動車税ですが、毎年必ず発生するものなので少しずつ貯めるよう心がけ、納付期限までに支払うことが難しい場合は早めに都道府県納税事務所などに相談するようにしましょう。