50代を迎えるとそろそろ頭によぎるのが、定年後のお金の問題。企業によっては退職給付制度を見直したり、そもそも退職金がない企業もあったりする中、頼みの綱となるのが公的年金(国民年金、厚生年金)だ。公的年金の受給開始は原則65歳だが、60歳~64歳までに受給を開始する「繰上げ受給」や66歳以降に受給を開始する「繰下げ受給」を選ぶことができる。
いつ年金を受け取るかによってもらえる金額が変わるため、自身のライフプランに合わせて検討する必要があるのだが、年金受給が視野に入ってきた50代は、どのような年金プランを考えているのだろうか。
年金の受け取り開始時期 4割が未定
株式会社アイブリッジが、50代の男女2,000人を対象に年金受給に関するアンケートを実施。「何歳から公的年金を受給する予定ですか」という質問には、「未定」という回答が40%と最も多く、以下「65歳」35%、「66~75歳」13%、「60~64歳」12%と続いた。
60歳以降の働き方には、同じ職場で再雇用となる人や別の仕事をはじめる人など、さまざまな雇用形態がある。しかし、企業ごとの意向もあるため、定年近くにならなければ、見通しが立ちにくい人も多いだろう。「未定」が4割に上ったのは、そのような背景があると考えられる。
50代の約6割は将来受け取る年金額が「わからない」 公的年金以外の老後資金は「貯蓄」が最多
次に「自分が将来、受け取る公的年金のおよその金額を把握していますか」という質問には、「把握していない」が58%という結果に。50代の約6割は、将来受け取る年金額を確認していないことが明らかとなった。年金額を把握できていないままだと、老後にいくら稼ぐ必要があるのか把握できず、ライフプランを設計しづらい。まずは、自身の受け取れる年金額をチェックしておく必要があるだろう。
なお、受け取る年金の見込み額は、日本年金機構や厚生労働省が提供する「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などから確認できる。
では、50代の人は老後の資金対策にどのようなことを行っているのだろうか。調査の結果、「貯蓄」が55%と最も多く、堅実に現金貯金をしている人が半数以上いる一方で、老後資金を蓄えていない人は29%と約3割にも上り、二極化した。また約2割の50代は、「個人年金保険」や「NISA」、「株式や債券などへの投資」などの資産運用で老後資金を蓄えていた。資産運用は調べる手間やリスクがあるからか、やはり現金貯金が主流のようだ。
平均寿命が延び「人生100年時代」といわれる今、老後の生活設計はますます重要になってくる。まずは、将来受け取る年金額を確認したり、家計の支出を見直したりして、できることからはじめてみてはいかがだろうか。
出典元:【Ueda Keisho Corp./PR TIMES】
引用元:【日本年金機構】
参照元:【日本年金機構】