多くの金融機関では、ネット上で送金できるシステムを導入しています。店舗に行く手間なく簡単に送金できることによって、ATMを利用する人の割合は変化するのでしょうか。今回は、マイボイスコム株式会社が9,402名の男女を対象に実施した「ATM(現金自動預け払い機)の利用に関するインターネット調査」をご紹介します。
インターネットバンキングでの振込・振替が増加し、ATMの利用者が減少傾向に
まず「直近1年間に、どのような方法で送金をしましたか?(仕事以外)」とたずねたところ、「インターネットバンキングでの振込・振替」が46.9%と最も高い結果になりました。過去2回の回答と比較すると、「インターネットバンキングでの振込・振替」をする人が増加していることがわかります。
一方「ATMでの振込・振替」「窓口での振込・振替」の割合はどちらも減少傾向にあり、とくに「ATMでの振込・振替」の減少率が高くなっています。
では、ATMを利用する人はどのような場所で送金しているのでしょうか。「直近1年間に、どのような場所にあるATMを利用しましたか?」と質問すると、「金融機関の店舗内・併設のATM」との回答が77.5%で最多の割合に。ついで「コンビニエンスストア」が39.3%、「スーパー」が21.2%という結果になっています。
駅付近に金融機関の店舗が多く見られることで、「金融機関の店舗内・併設のATM」を選択する人が多いのではないでしょうか。とはいえ、月1回以上ATMを利用した人は約75%で、過去調査と比較して減少傾向にありました。
どのATMサービスも利用者が減少傾向に
次に、「直近1年間に、ATMでどのようなサービスを利用しましたか?」と聞いたところ、「現金の引き出し」が86.2%と最も多い結果となりました。現金の引き出しをする人が最も多いものの、過去調査と比較してこちらも減少傾向にあります。
では、ATMの利用頻度が3年前と比べて変化したのは、なぜなのでしょうか。
実際に「ATMの利用頻度が3年前と比べて変化した理由」を聞いてみると、利用が増えた人は「外出機会が増えて、預金の出し入れも増えたため」「通帳残高が気になるので不正な引落がないか心配」「電子マネーのチャージなどを利用するためにATMの利用頻度が増えました」という回答が寄せられていました。マスクなしで外出しやすくなったことや、電子マネーの普及など時代の流れに合わせて、ATMの利用頻度が変化していると言えます。
一方、利用頻度が減った人からは「クレジット、PayPay、Suicaなどで支払うことが増えた」「現金を使わなくなったのと、銀行が減ってしまって行きづらいから」といった回答が。また、利用頻度が変わらない人からは「スマホ間での振込が無料になる場合は減る可能性はある」「スマホ決済だとシステムトラブルがあったときに怖いので、現金引き出しなどで今後も同じくらい利用すると思います」という回答があがっており、ネット上の取引に不安を感じる人や、手数料について課題があると感じる人が一定数いることがわかります。
今回、本調査の結果から“ATMの利用者が減少している”ということがわかりました。しかし、ネット上の取引への不安や手数料への不満などがあることから、ATMの需要が完全になくなることはなさそうです。
出典元:【マイボイスコム株式会社/PR TIMES】
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