「日本で働いても収入が増えないなら、海外へ出稼ぎに行こうか」と考えたことのある人は少なくないのではないだろうか。特に、海外での生活体験を求める若者の間では、ワーキングホリデーの人気が高まっている。そして次に気になるのは、どの国を選べば最も稼げるのかという点。今回は、最低賃金と物価を考慮に入れた「最も稼げる国ランキング」を紹介しよう。
最高月収はルクセンブルク、日本の約2.4倍に相当
スクールウィズは、ワーキングホリデーが可能で最低賃金が定められている国ごとの月収をランキング形式で集計し、日本の最低賃金から換算される月収と比較した「2024年度版 ワーキングホリデーにおける国別、最低賃金月収の実態調査」を発表した。
その結果によると、最も高い月収を得られるのはルクセンブルクで月収は40万7,092円。これは日本の約2.4倍に相当する。ルクセンブルクは、ベルギー、フランス、ドイツに囲まれた、自然豊かなヨーロッパの小さな国。2024年6月からワーキングホリデーの日本人受け入れが開始されたため、あまりなじみがないが、治安が良く、トラム、電車、バスなどのすべての公共交通機関が無料。しかもオーストラリアやカナダよりも物価が安い。公用語はフランス語、ドイツ語、ルクセンブルク語だが、英語なども日常的に使われており、通じるため、今後渡航先として人気が高まるかもしれない。
オーストラリアやオランダも「稼げる国」
2位以下の国も紹介していこう。2位はオーストラリアで約37万円。物価スコアが1.523とやや高めだが、日本人渡航者が多いため、情報収集しやすい点が魅力だ。また、英語圏であるため、英語を話せるようになりたいと考えている人にとって渡航先に選ばれやすく、ビザの発給件数が過去最多となっている。
3位はオランダで約35万円。首都アムステルダムを含む国土が低地にあり、運河やチューリップでよく知られる国だ。公用語はオランダ語だが、多くの国民が英語も話せる。以下、4位はイギリスで約34万円、5位はニュージーランドで約33万円、6位はアイルランドで約32万円、7位はドイツで31万円、8位はフランスで約30万円、9位はカナダで約29万円、10位はオーストリアで約28万円となっている。
一方、最も低い月収となったのはアルゼンチンで、わずか3万359円。これは日本の月収の約6分の1にあたる。他にもウルグアイやチリといった南米の国が下位にランクインしており、これらの国への渡航を考えている人は十分な資金が必要になるだろう。
ワーキングホリデーで現地の就職先を探す際に重要なのは職務経験と英語力のバランスだ。たとえば、カフェ店員の場合、バリスタ経験者や接客経験者が優遇される。また、英語力も重要な要素の一つで、目安としては、CEFR(セファール)のB1、B2程度の語学力があれば、ネイティブスピーカーと自然にコミュニケーションが取れるレベルとされ、仕事も見つかりやすくなるだろう。
ワーキングホリデーを考えている人は、この調査結果を参考にしつつ、自分に最適な国を選び、充実した海外経験を積んでみてはいかがだろうか。
出典元:【スクールウィズ】