あなたは何歳で“クレジットカードデビュー”を果たしただろうか。基本的に18歳から作れるようになるため、大学進学を機に親から渡されたり自分の就職祝いで作ったりした人も少なくないだろう。しかし実は、若者の契約数が他世代に比べて低い傾向があるのだ。“若者のクレジットカード離れ”を起こしているのだろうか…。
今回は、クレジットカードの調査結果から、若者と上の世代でのクレジットカードとの向き合い方を探っていきたい。
40歳以下は全体のわずか25%
日本クレジット協会が発表した2019年版「日本のクレジット統計」によれば、2019年12月のクレジットカード契約数は2億6300万枚だった。これは前年に比べて2.5%増加した数字で、ここ10年ほどでは最も多い契約数となっている。
さらに2億6300万枚のカードを契約している契約者の年齢を確認してみると、31~40歳が全体のうち15.0%なのに対し、41~50歳が22.0%、51~60歳が21.5%。40歳を境に“大人”ほど契約している様子が伺える。まさに「クレジットカードは大人の証」といった雰囲気だ。
一方で40歳より下を見てみると、30代の15.0%をさらに下回り、23~30歳が8.6%、それ以下の年齢では1.7%という数値だ。18~40歳という広い幅を持ちながら、全体の25%しか占めることができていないのだ。
若者の割合が低い理由は、複数枚所持する大人の力?
なぜ30代以下の契約数が少ないのかを考えてみると、まず思い当たるのは単純に「まだ作る必要が無いから」。何かにつけて「若者の『旅行離れ』『消費離れ』」「賃金が低いから買い物ができない」などと言われている現代の若者。ここ数年でQRコード決済などネット上でも使える決済サービスはクレジットカード決済以外にも増えてきており、単純にクレジットカードでないと購入できない高価なものを必要としていない可能性が考えられる。まさに“若者のクレジットカード離れ”という説だ。
そして次に考えられるのは、「年配になるほど多くのカードを持っている」だ。日本クレジット協会によればクレジットカードの平均保有枚数は一人あたり2.5枚だとされている。家庭を持っているビジネスパーソンであれば、自分の支出と家計からの支出を分けるために別口座につながったカードを使っていることも少なくない。さらに人によっては10枚以上のカードを所持しているといい、支払いシーンや還元ポイントのおトクさによって使い分けているようだ。つまり、TPOに応じたカードを使い分けるテクニックも、30代と40代を分ける“大人”の力なのかもしれない。
当然、クレジットカードは「多く持っているほど偉い」「一枚しか持っていないのはまだ子ども」というものではない。しかし、年齢が上がるにつれてそういった選択肢も出てくることを想定しておけば、今後自分が複数枚のカードを作るようになったときも戸惑わずに済むはずだ。急いで考えるべきことではないが、家で時間を持て余しているときなどに少しずつ“さらなる大人への階段”の登り方を考えてみるのもいいだろう。
参照元:日本のクレジット統計 2019年度版(PDF)【日本クレジット協会】