ポチ袋は過去の遺産? 2021年は「キャッスレスお年玉元年」になるかもしれない。

政府の導入支援や、各サービスの趣向を凝らした大規模な還元キャンペーンで一躍市民権を得ていった「キャッスレス決済」。その普及の影響は思わぬところにまで出ているようだ。2021年の「お年玉」について調べた調査の結果、「お年玉のキャッシュレス化」をなんと半数以上の人が好意的に捉えていることが判明した。前年度の同様の調査に比べて大きく好意的な意見が増えていることも判明しており、2021年が「キャッスレスお年玉元年」になるかもしれない。
今回は、キャッシュレスでのお年玉が今年大きく実現に向けて動き出した要因と、お年玉のキャッシュレス化がもたらす効果について考えていく。

利便性の賛成派と伝統を守りたい反対派

2021年はお年玉の常識が変わるかもしれない

 日本ファイナンシャルアカデミー株式会社の行った「キャッシュレスとお年玉」についての調査の結果、お年玉のキャッシュレス化に対し「とても良いと思う」と答えた人が10%、「まあ良いと思う」の回答が41%と、半数以上の人が賛成的な意見を持っていることが判明した。伝統的な行事であるお年玉の様子が、今年を契機に大きく様変わりするかもしれない可能性を示していると見ていいのかもしれない。
 賛成派の意見としては、「支払いが便利」や「現金や財布を持ち歩かなくていい」などの利便性が挙げられたほか、「ポイントが貯まる」というキャッスレスならではのメリットを受けられるという意見も挙げられた。逆に反対派としては「お金のありがたみ、価値がわからない」や「情緒がない」などのお年玉という伝統価値の重要性が多く挙げられた。そのほかにも「現金のほうが使いやすい」や「キャッシュレスは使いすぎが心配」という意見も挙げられ、日本には未だ現金主義が根強く存在していることが読み取れた。

どのように使うのが“お得”なのか、子どもたちと考えてみては?

 さらに注目すべきが、賛成理由の2位に挙げられた「コロナ関連」という理由だ。新型コロナウイルスの流行で、今年は規制そのものが自粛になる可能性が高い。お盆の頃にも流行した「オンライン帰省」が、この年末にも復活するかもしれない。画面越しに新年のあいさつをして、オンラインの神社に初詣に出かける。そんな新しい生活様式のお正月の光景には、非接触の「キャッスレスお年玉」はぴったりではないだろうか。
 また、キャッスレスお年玉には、入出金の履歴が残るというメリットも存在する。お年玉の使い道や、減り具合を大人が確認できるので、急な収入に浮かれる子供たちの“無駄遣い”にも親の目を光らせることができる。同時に子どもたちからすれば、「あの人昨年から、何円増えた」、「この人は毎年同じ値段だな」なんて懐事情を管理されてしまうかもしれない。

 どちらにせよ、ポチ袋をもらって喜んでいた私たちの少年時代のような、お年玉の様子は過去のものとなるかもしれない。
 ボタン一つで、やり取りできてしまうキャッシュレス決済は、お金のやり取りをしているという感覚を持ちにくい注意点もあるが一方で、ポイントや還元率など金銭に対する“おトク”という感覚を養うきっかけになる可能性もある。キャッシュレスが当たり前に育つ世代だけに、新年のお年玉を正しい金銭教育の最初の授業にしてみてはどうだろうか。

参照元:コロナで変わるお年玉!過半数の親が「キャッシュレスのお年玉」に賛成【FNNプライムオンライン

オトナライフ編集部
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