日常生活に欠かすことができなくなった「キャッスレス決済」。できることなら普段の買い物から“お得”に使いたいと考えている人がほとんどではないだろうか。その点「PayPay」は、「キャンペーンも多く、お得な決済方法だから普段から使っている」そんな人も多いだろう。しかしキャンペーンのお得さだけで日常使いのアプリを決定してしまっていいのだろうか。
今回は“PayPay=お得”という図式が本当に成り立つのか。日常使いとしてのアプリとして正解なのかを紐解いていきたい。
PayPayの波に「乗り遅れてはいけない!」のムーブが生まれた2019年
2019年に一躍「キャッスレス決済アプリ」としてトップシェアに躍り出たPayPay。参入時に行った「100億円あげちゃうキャンペーン」のインパクトからアプリをダウンロードした人も多いのではないだろうか。PayPayでの支払い時の20%が還元されるというキャンペーンは「買い物をするだけで得をする」とユーザーを増やしたほか、同時に行われた「40回に1回の確率で支払額の全額が還元される」キャンペーンに多くの日本人が驚いた。その後も、年に一度の大型還元「超PayPay祭」や1000%の還元が受けられると銘打った「ペイペイジャンボ」など多彩な還元キャンペーンを定期的に企画。“PayPay=お得”という消費者心理を生み出し「PayPayのキャンペーンには乗らなきゃ損」と思わせる空気を世間に生み出した。
こうなれば、PayPayのキャンペーンに乗り遅れないために、日ごろからPayPayを使用するユーザーも増えているだろう。実質この“バラマキ”作戦は大成功となっているのではないだろうか。
PayPayはお得だ、という風潮が広まっているが、実際の所はどうなのだろうか。実はPayPayの通常還元率は「0.5%」。LINE Payの「1.0~3.0%」、楽天ペイが「1.0~1.5%」という数値を見る限り決して還元率がいいとは言えない。
さらに、最近何かと話題に上がるマイナポイント事業においても、「抽選で総額1億ポイントプレゼント」という大型キャンペーンを打っているPayPay。1億という数字は多額に見えるが、よくよく内容を紐解けば一般的な還元範囲である1,000ポイントをもれなく配布すれば10万人登録で到達する数字。ずば抜けて還元率が良いとは言えないだろう。
大規模な還元セールで一躍トップシェアを獲得したPayPayだが、実情は常用アプリとしてはそこまでお得ではないのかもしれない。しかし、消費者のイメージ上では「気前の良さ」を演出しているのに成功している。お得に買い物したければ、サービスの本質を見極める冷静さが必要かもしれない。
参照元:マイナポイントとは?どこがお得か比較!アプリの予約・登録方法を解説【Nojima】