楽天サービス内ですべての支払いを完結させる「ポイ活」として話題になった「楽天経済圏」。いまや同様の経済圏が日本には乱立している。さらに経済圏を築き上げている企業にはある共通点が…
今回は経済圏という新しい市場規模を生み出す企業と、この経済圏というムーブがもたらす、サービス選択の基準の変化について迫っていく。
QRコード決済が最後の一押し。経済圏が加速
楽天グループの多彩なサービスを駆使して楽天ポイントを集めて、楽天グループ内だけで生活を完結させる「楽天経済圏」が今年大きな話題となった。ネットショッピングを始め、クレジットカード、スマホ、銀行、電気、書籍、デリバリーなど生活に必要なものが全て揃っているからこそできる生活スタイルである。近年、この生活の全てを自社サービス内で完結させることで、ユーザーを囲い込む「経済圏」の形成が多くの企業で盛んに行われている。
これまでも、ポイントの連動サービスはどの企業でも行われてはいたが、ポイントは各企業のサービス内でしか使うことができず、よっぽど意識をしなければお得に活用することは難しかった。今回の経済圏の一般化は、「QRコード決済」という最後のピースが揃ったからではないだろうか。「貯めたポイントを日常の支払いで使うことができる」という、外部との相互性をQRコード決済によって得たことで、消費者がポイントを集めることへの恩恵を強く受けられるようになった。この流れが人々を経済圏に駆り立てているのではないだろうか。
特に今日本でメジャーとなっている経済圏は、「楽天経済圏」、「ソフトバンク経済圏」、「au経済圏」、「ドコモ経済圏」ではないだろうか。そのどれもが通信会社系であり、さらには携帯電話の「4大キャリア」と言われる企業の全てが経済圏を形成している。
もはや、携帯通信会社のビジネスモデルは、ユーザーを獲得する通信料ビジネスから大きく変貌を遂げているのではないだろうか。サービスを多角化することで「既存ユーザーにいかにお金を落としてもらうか」というビジネスモデルに変わってきているのかもしれない。
いまや、誰しもがQRコード決済を使用している時代。普段の買い物からポイントを無駄にしないためにも、携帯キャリアはココ、電子書籍はココ、クレジットカードはココと、サービスごとのお得さで判断するのではなく、経済圏という大きな視野で、企業単位でサービスを一括で選ぶ時代だ。そろそろどの生活圏に属すか選択の時間かもしれない。
参照元:通信キャリア4社が形成しつつある”経済圏”の今【Digital Integration】
※サムネイル画像(Image:Sofihia Yusop / Shutterstock.com)