キャッシュレス決済を使うようになって、読者の皆さんが一番感じている変化は何だろうか。「端数に合わせて小銭を出す手間が減った」「そもそも現金を持つ量・頻度が減った」そうした意見もあるだろう。しかし筆者が一番感じているのは、決済スピードが格段に上がったことだ。しかしこのスピードアップがもたらすのは恩恵だけかと思いきや、非キャッシュレス派に対する“イライラ”につながっている可能性があることがわかった。
今回は、スピードアップする社会の中で意識すべき、速度格差についてお伝えしていきたい。
レジ前の光景が様変わりした2020年
キャッシュレス決済の普及によって、レジで会計する際の光景は様変わりした。これまでは誰もが財布を出して合計金額が表示されるのを待ち構えていたが、キャッシュレス決済であればICカードやスマホを片手に持っているだけでもOKだ。
お釣りの枚数を少なくして財布を軽量化させようと、枚数を数えながら小銭入れを漁っていたのは過去のこと。スムーズな動きで決済を完了させることができるようになったのだ。個人個人で会計しているグループ客が「1円無いー?」と仲間内で小銭をやりとりするのを見て、内心「早くしろよ」とイライラする必要が無くなった…はずだった。
落ち着いて考えてみれば当たり前なのだが、誰もがキャッシュレス決済を利用するわけではない。そのため、これまで現金決済でイライラしていた点すべてが解消されるわけでないのは当然のこと。むしろ自分がキャッシュレス決済のスピードに慣れてしまったおかげで、現金決済派の人たちの会計が今まで以上に遅く感じられるようになってしまうおそれすら出てきてしまった。
加えて2020年7月からはレジ袋の有料化もスタートし、自身のエコバッグ等に品物を入れる人が増えることに。レジでゆっくり袋にしまう人を見かけても、「自分もやっていることだから」と“お互い様”の精神で広い心を持つように心がけたい。
またキャッシュレス派であっても、QRコード決済等はスマホを操作する必要もあるため慣れていないユーザーであればもたついてしまうことも少なくないだろう。だがそれはおそらく、あなたがQRコード決済を使い始めた頃にも似たようなことをしていたはずだ。もたついた人も何度も使い続けることで、今のあなたのようにスムーズな決済をできるようになると考えていただきたい。
ちょっとしたことにイライラせず、みんなが気兼ねなくキャッシュレス決済を使える世の中になることが、真のキャッシュレスの浸透なのかもしれない。
参照元:現金派の人にイライラ。キャッシュレス社会が生み出す「速度格差」【日刊SPA】