昨今コンビニのレジ前で財布を出すことは少なくなったのではないだろうか。各コンビニの公式アプリを開いてクーポンを使って、ポイントをためてそのままキャッシュレス決済。なんてスマホの使い方が大多数になっている。
今回は各社ともに力を入れる公式アプリについて、その実態を探っていく。王者セブン-イレブンが過去に負ったある傷跡から、シェア争いに苦戦していくかもしれない弱点を露呈しているようだ。
利用者、コンビニともにメリットがあるアプリの普及
スマホの普及と共にコンビニ各社は公式アプリの充実に注力している。各社ともにお得なクーポンや最新の商品情報が配信されるとあって、クーポンの差で買い物をするコンビニを変えるという人も少なくないはずだ。また、クーポン以外にもアプリ内で会員情報を登録できるのも特徴の1つ。商品の購入に応じたポイントの獲得や、連携先のポイントカードと紐づけることで便利に買い物ができるというメリットも有している。店舗側としても、会員情報を集めることで購買層の調査やトレンドを迅速かつ膨大に取得できるとあって公式アプリはもはや必須ツールとなっているだろう。
「ローソン」、「ファミリーマート」、「セブン-イレブン」の大手コンビニ3社の公式アプリの内容を紐解いていみると、大きなサービスの内容には違いはないものの、ある一カ所で一社が大きな遅れをとっていることが分かった。
先行逃げ切りに失敗どころか、致命的な弱点を背負ったセブン-イレブン
各社ともにクーポンやポイント商戦という面では大きな差異はないといえる。肝心なのは支払いツールの利便性だ。ローソンアプリは、Pontaカード、dポイントカードと紐づけられるほかクレジットカードも登録できるので、ポイントでの商品購入やキャッシュレス決済も可能。ファミリーマートに関しては名前が「FamiPay(ファミペイ)」である通りキャッシュレス決済としての側面は非常に強い。
対照的なのがセブン-イレブンである。豊富な商品と出店数でコンビニ業界の最大手でありながら公式アプリからの支払いは基本的に自社サービスのnanacoカードを使った決済だ。セブン銀行の導入や、ドリップコーヒーの販売開始など「顧客ニーズに先行して応え続けてきた」セブン-イレブンにしては、他社がキャッシュレス決済による支払い手段を充実させる中、らしくない出遅れを取っていると見られても仕方がないだろう。これはひとえに他社に先駆けてキャッシュレス決済に参入した「7pay」の失敗による影響ではないだろうか。2019年の失態がいまだに尾を引いているのだろう。
もはや当たり前となったキャッシュレス決済。その参入をいち早く決断したセブン-イレブンの先見の明は素晴らしいものである。しかしながら、今回ばかりはこの見切り発車が最悪の結果となって今現れてしまっているようだ。セブン-イレブンの衰退は高すぎビジネスセンスのせいで始まるかも。
参照元:コンビニ公式アプリ3社(ローソン、ファミマ、セブン)の特徴を知り、お得に買い物【マネーの達人】
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