「au PAY」と「Pontaポイント」がさらなる連携強化を図っている。2020年5月に「au WALLET ポイント」がPontaポイントとなり提携を開始した両者だったが、ついにPontaポイントを貯めるために提示する公式アプリにもau PAYの支払い機能が追加されたのだった。
今回は、さらに連携を密にするau PAY・Pontaポイント双方のメリットと、今後の展開について考えていきたい。
Pontaとの連携強化に乗り出したau PAY
今回、ローソンなどで使える共通ポイントサービス「Ponta」を運営するロイヤリティ マーケティングとau PAY を運営するKDDIが発表したのが、「Ponta公式アプリ『Pontaカード(公式)』上でau PAYを使えるようにする」ということだった。Pontaポイントを貯めるためのバーコードとau PAYのQRコードを、Pontaカードのアプリを起動するだけでどちらも提示できるようになった。この連携で、財布からわざわざPontaカードを出しつつau PAY のアプリを起動する、といった手間が省け、Pontaポイントの二重取りがさらにしやすくなったという。まさに“ポイ活”をするおトクに敏感なユーザーにとっては朗報だ。
Pontaポイントといえば、これまで「dポイント」と提携していたことを覚えている読者もいるのではないだろうか。dポイントはご存じの通り、au PAYのライバルサービスである「d払い」など“ドコモ経済圏”の共通ポイントだ。しかし5月にKDDIが自社のポイントをPontaポイントへと統合し、Pontaやローソンをドコモから奪取。9月にはPontaポイントとdポイントの相互交換サービスも終了して、PontaはauおよびKDDIとのつながりを強めたのだった。
そんな背景もあり、Pontaカードでau PAYが利用可能になった、という連携は、1年目のパートナーがつながりをさらに強めるためには大きな出来事だったと言えるかもしれない。実はこれまでもau PAY側のアプリでは、Pontaと連携することでPontaポイント用のバーコードの表示が可能だった。つまり、au PAYのアプリがあれば今回と同様のスムーズな二重取りができていたのだ。
となるとPontaカードのアプリでau PAYが使えるようにした理由は、「au PAYを使っていないPontaカード会員の取り込み」ということも考えられる。これまでPontaカードアプリと他のQRコード決済のアプリを2つ立ち上げていた手間が1つにまとめられ、さらにポイントの二重取りもできる。そんな「おトク」+「便利」を武器にシェアの拡大を図っているとしてもおかしくないだろう。
これまでQRコード決済業界の中では、お世辞でも存在感を示せていると言い難い状況だった。しかしPontaとの連携をフルに活用することで、業界シェアを逆転する糸口をつかめるかもしれない。2021年はau PAYとPontaの動向にも注目していきたい。
参照元:Pontaカードのアプリで「au PAY」が利用可能に【iPhone Mania】
※サムネイル画像(Image:point.recruit.co.jp)