「PayPay」が2020年12月から、加盟店が独自でクーポンを発行できるようになった。これによって個人商店のような街の小さな加盟店でも独自の販売促進をすることができ、消費者の立場から見てもさらにPayPayのおトク度が高まったと言えるだろう。QRコード決済業界のトップをひた走るPayPayが、その地位をさらに確固たるものにする一手となるか。
今回はPayPayの新たな戦略ともとれる、“クーポン”についてお伝えしていきたい。
個人商店でクーポンを扱えるメリットは絶大
PayPayは昨年の12月22日、「PayPayの加盟店向け管理システム『PayPay for Business』の『PayPayマイストア』から、各加盟店がPayPayユーザーに向けて独自の『PayPayクーポン(決済総額型)』を配信できる機能」を提供し始めた、と発表した。ユーザーがこのクーポンを利用してPayPayで決済を行うと、設定された額の「PayPayボーナス」の付与を受けられる仕組みだ。さらにこのクーポンは、付与条件や付与率・金額を加盟店が自由に設定できるため、独自路線の販売戦略を立てることもできるようになっている。
PayPayではこれまでも松屋・コジマ・デニーズといった大手チェーン店でクーポンを配信していたが、今回の機能追加によって小さな加盟店でもクーポンを発行できるようになり、より消費者に近い目線でのクーポンが登場することになりそうだ。
加えてユーザーはPayPayのアプリ上でクーポンを取得でき、決済時には自動的にクーポンが適用されるため、ユーザー側にとっても会計であれやこれやと店員に提出する必要が無く今まで通りのスムーズな決済が行えるようだ。後ろに会計待ちの列ができているときでも気兼ねなく使用できるのも嬉しいポイントと言えるだろう。
PayPayといえば、2018年に「100億円あげちゃうキャンペーン」という絶大なインパクトの還元キャンペーンで世間に認知されて以来、断トツの業界シェアを誇るQRコード決済の“絶対王者”として君臨している。加えてPayPayを利用できる店舗も全国で280万ヶ所以上とされ、地方の小さな商店でも「クレジットカード使えないけど、PayPayだけは使える」という店舗も少なくない。最近は多くの地方自治体とも連携しキャンペーンを行うなど、草の根運動での需要の掘り起こしにも熱心だ。
そんな地道な努力で獲得してきた加盟店それぞれが独自のクーポンを発行できるとなったら、各店がユーザーの獲得のためバラエティ豊かなクーポンが登場することも期待してもよさそうだ。
1位の座に甘えることなく次から次へと新たな施策を打ってくるPayPayに対して、もはや付け入る隙はないのかもしれない。2019・2020に続き、今年もQRコード決済業界はPayPayを中心に回るのだろうか。この1年もPayPayやライバルサービス各社の動きから目が離せない。
参照元:「PayPayクーポン」を発行可能な加盟店が拡大【PayPay】
※サムネイル画像(Image:about.paypay.ne.jp)