PayPayの強みは辛抱強さ? QRコード決済に今後必要になってくるかもしれない要素とは

経済を停滞させているコロナ禍でも、キャッシュレスの波は止まらない。一般社団法人キャッシュレス推進協議会が2020年9月までのコード決済(QRコード決済)の利用動向を調査したところ、アクティブユーザー数や業界全体のチャージ残高は右肩上がりになっていることが分かった。大胆なポイント還元でコード決済の認知度を上げたキャッシュレス・消費者還元事業は2019年6月いっぱいで終了したが、その後もユーザー数は伸び続けており、これからの伸びしろも十分のようだ。

留まるところを知らないキャッシュレス決済の成長ぶり

利用率を順調に上げているQRコード決済

 発表されたコード決済利用動向は、「d払い」「PayPay」「au PAY」「メルペイ」「ゆうちょPay」「LINE Pay」など、全16社から提供されたデータを集計したものだ。2018年の1年間で一気に普及したQRコード決済サービスだが、アクティブユーザー数は2020年9月時点で2018年の約10倍となっている。
 コロナ禍でもその伸びに目立った変化はなく、店舗利用額および店舗利用件数のみ、最初の緊急事態宣言が出された2020年4月に落ち込みを見せているものの次月には回復。むしろ紙幣や小銭による他者との接触がないキャッシュレスの思わぬメリットが注目されたことは記憶に新しい。
 さらにスマホ決済だけでなくパソコンでのクレジットカード決済等の利用も増えた。総務省の家計消費状況調査によると、ネットショップ利用世帯の割合は2020年5月に初めて5割を超え、それ以来は同水準をキープしている。巣ごもり消費の拡大も、キャッシュレス化の追い風となった。

キャッシュレス化は日本の将来を左右するかも

 一方で、あくまでも現金を使いたいという保守層も少なからず存在するのも事実。「めんどくさそう」「使い方がわからない」というそもそも利用方法がわからないアナログ派や、「お金を使いすぎてしまいそう」「セキュリティが不安」といった金銭面やシステム面を心配する人などもいる。彼らの不安を解消するには、まだ越えるべきハードルは多く残っているのかもしれない。
 また地域によっては現金文化が根強いあまり、店舗側がキャッシュレス化の必要性を感じていないこともある。業界トップのPayPayが地方自治体と連携を広げているのも、そうした意識を変えなければQRコード決済の未来が無いと感じているのだろうか。

 そのためにはキャッシュレスに移行するとさらに分かりやすいメリット提示し、使う側、使わせる側双方の障害を解消することが必要だろう。データとしてはコード決済の利用率は順調に増えているため、今後も時間とともに保守的だった人たちの考えも少しずつ変わっていくことだろう。
 今後のキャッシュレス決済業界は、そんな変化をじっくり待てる辛抱強いサービスが勝ち抜いていくのかもしれない。

参照元:コード決済利用動向調査 2020年12月25日公表【PAYMENTS JAPAN

オトナライフ編集部
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