「まねーぶ調べ」の調査結果によると、多くのユーザーはキャンペーンやクーポンをきっかけにキャッシュレス決済を選んでいることが分かった。ユーザーにとってみればキャッシュレス決済には“キャンペーンがあって当たり前”くらいの認識になっているのだろう。
今回は、そんなイメージを生み出したあるキャンペーン戦略と、そこから考える「PayPay」の盤石の地位について考えていきたい。
実はキャンペーンへのイメージはPayPay一強なんです
まねーぶ調べの発表によると、「キャンペーンやクーポンをきっかけにキャッシュレス決済を選んだか」という質問に対して67.3%もの人が同意をしていることが分かった。
実際にキャンペーンやクーポンをきっかけに利用し始めたサービスの内訳を見ていくと1位がPayPay(113人)、2位「クレジットカード(74人)」、3位が「楽天ペイ(39人)」4位「d払い(37人)」、5位「LINE Pay(33人)」、6位「メルペイ(31人)」となっている。キャッシュレス決済の古株として、圧倒的な母数をもつクレジットカードに勝っていることも驚きだが、QRコード決済に絞ってみても他社がほとんど変わらない数で競るなか、圧倒的な大差でPayPayが勝っている。もはや、「PayPay=お得なキャンペーン」というイメージがユーザーに強く根付いているのだろう。
このPayPayのイメージはサービス開始時の「100億円あげちゃうキャンペーン」の影響が大きいのではないだろうか。この時に行った、過去に類を見ない「全額バック」などの大型キャンペーンの衝撃によって、「PayPayはお得なキャンペーンをやっているもの」という今のイメージがユーザーに刷り込まれたのだと考えられる。同時にこの出来事は、今日のQRコード決済自体のイメージにも大きな影響を与えたのではないだろうか。
事実、追随するようにライバルのd払いや、「au PAY」が大型キャンペーンを続けて打ったことも記憶に新しい。各社ともに初期ユーザーの確保のため最初に「バラマキ戦法」ともいえるキャンペーンを打つことが定石となっている。これは先駆者のPayPayの成功例が大きかったといえるだろう。
戦いをキャンペーンというフィールドに持ち込みつつ、自身は先駆者のアドバンテージを最大限に生かして“お得”のイメージを刷り込むことに成功しているPayPayはまさに試合巧者と言えるだろう。
業界シェアがおおまかに固まってきた現在でも、いまだ各社ともにシェア争いのためキャンペーンに注力している。どのサービスも他社と比べ見劣りしない還元率を打ち出しているといえるだろう。にもかかわらず、ここまでユーザー支持に大きな差が出ているという今回の結果。PayPay以外の各社は、他の武器を探す必要があるのかもしれない。100億円あげちゃうキャンペーンは、身銭を切るという意味では大きな出費となったが、それ以上にQRコード決済業界を牛耳る大きなメリットを生み出していたようだ。
参照元:キャッシュレス決済のお得なキャンペーンやクーポン、利用の決め手は?【まねーぶ】
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