みなさんは、ここ最近いつATMを利用しただろうか。ひと昔前でいえば給料日には、お金をおろして飲みに行ったり、買い物に出かけたりというのが普通の光景であった。しかし、ここ数年普及が進んでいるキャッシュレス決済の定着と共に、「気付けば数カ月お金をおろしていない」なんてことも珍しくなくなった。今回は、そんな利用者減少の流れに対して、大手メガバンクが投じた秘策について紹介していく。今後銀行は今より便利になっていく?
キャッシュレス決済にして、ATMでお金を降ろす頻度は変わりましたか?
キャッシュレス決済の定着と共に、皆さんが現金を使う機会は大幅に減ったのではないだろうか。そうなれば必然的に、ATMを使ったり、銀行でお金を引き出すという行為も少なくなっていくはずだ。キャッシュレス決済が「現金よりも手軽」でなおかつ「高還元」ということであれば、わざわざ銀行を利用する理由は少ない。キャッシュレス決済のメリットという考え方以外にも、銀行としては相次ぐATMのトラブルや、近年の低金利などユーザーが離れてしまうマイナス要素も多く抱えてしまっている。このまま銀行という業種は競争力を失っていってしまうのだろうか。
そんな状態の中、現状を打破すべくメガバンク達が「ある施策」を採用し始めている。それが“ポイント”だ。まさにキャッシュレス決済のお株を奪うような戦い方だが、「ATMを使うだけでポイントが貯まる!」といものならば、ユーザーにしてみればATMを使うメリットが生まれ、利用促進の切り札になりうるだろう。
三井住友銀行では、従来から独自のポイント制度「SMBCポイントパック」を導入していた。しかし、このサービスで受けられるのは振込手数料への利用や、景品との引換え程度。ユーザーに対する訴求としては物足りないと言えただろう。しかし、2020年に「Vポイント」としてサービスを改め、2021年には専用アプリ「Vポイントアプリ」をリリース。三井住友銀行サービスを利用することで、貯まるポイントをアプリ上でキャッシュレス決済として使用できるようにした。自社独自のポイントサービス強化させていくことでユーザーの獲得を目指したのだ。
一方で別の切り口から活路を見出したのが、三菱UFJ銀行。自社のポイントではなく、大手ポイントサービスの「Pontaポイント」を共通ポイントとして採用したのだ。わざわざ銀行のポイントサービスを新たに登録する手間が無く、普段から慣れ親しんでいるポイントをそのまま併用できるとあれば、メリットは大きい。
現状でメガバンクと提携しているのはPontaポイントだけだが、ゆくゆくは「楽天ポイント」や「dポイント」のような、巨大な経済圏を構築しているポイントとタッグを組むメガバンクが現れてもおかしくないだろう。
大手ポイントの併用が進めば、いよいよメガバンクが経済圏に仲間入りという流れにもなってくる。メガバンクとしては、少しでも利用者を引き込みたいという魂胆だが、今の経済圏の勢いだと、逆に取り込まれてしまうかもしれない。銀行×ポイントの今後の流れに注目だ。
参照元:メガバンクが本気で始めたポイントサービス、最もお得な銀行はどれだ!【ダイヤモンド・オンライン】
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