商品の分散投資だけでは効果半減!リスク分散で意識すべきは「投資期間」

金融商品への投資を考える場合に「分散投資」を肝に銘じるべしというのはよく聞く話。玉子を一つのかごに盛るなという話もよく聞く。しかし「時間」についての考え方がおろそかになっていないだろうか。リスク分散には時間の考え方が必要不可欠。リスクと時間との関係を知って正しい分散投資をしてもらいたい。

分散投資しても下がるときは全部下がるのが現実

(Image:Shutterstock.com)

分散投資を考えるときに複数の金融商品を選ぶのは、「玉子を一つのかごに盛るな」という発想で、どれか一つの金融商品がダメになったとしても他でカバーできる。具体的には、海外の相場が悪くなってそこに投資する金融商品の価値が下がっても国内の金融商品の価値は下がらないだろう。しかし現実的には、どこかの国の相場が悪くなると多かれ少なかれ世界中で影響は受けるもの。2018年8月にトルコショックが起きたときも日本では日経平均株価が急落する影響がえた。したがって商品を分散しておくだけでは効果は高くないのではといえる。。

引用元:Yahoo!ファイナンス(https://finance.yahoo.co.jp/)のチャート比較機能

例えば日本(日経225)、米国(ダウ工業30種)、ロンドン(FTSE 100)の平均株価を表す指数を期間5年で表示。完全連動ではないものの大きなトレンドは似ている

リスクが高い商品の投資期間は短期で考える

引用元:マネックス証券(https://mst.monex.co.jp/mst/servlet/ITS/ucu/BondTopGST)

長期投資を考える債券とはいえ、投資期間が5年未満の商品がある。このような場合は、その商品の運用期間が終わったら次の債券の投資に回すなどお金に色を付けておくとよい

商品を分散する以外に時間を分散する方法がある。時間を分散する場合には1商品あたりの投資期間を考える方法と、「積み立て」のように毎月一定金額ずつ投資していく方法がある。いずれにせよどのくらいの期間で投資するかを考えなければならない。期間は大きく3つにわけるのがよい。

 

①短期:3年未満:FX、商品・指数先物、国内株、海外株
②中期:3年~5年:株式投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(上場不動産信託)
③長期 5年以上:債券、債券投資信託、純金

 

投資期間を短くする場合はリスクが大きくなるので、投資初心者は中期・長期での投資を考えたほうが、損をしてしまうリスクを回避しやすくなる。逆にいうと、FXや商品・指数先物の建玉を持ち続けるのは、リスクが大きいため短期で取引を終了させないと、その分だけ損をしてしまう可能性が高い。

投資をするときに考える分散投資。考え方は分かっているつもりでも実践するのはなかなか難しい。そんなときにはどのくらいの期間で投資するかから考え始めて、投資する商品を選んでみよう。その際は短期でリスクの高い金融商品ではなく、中期・長期で投資できる商品から選んでほしい。

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