あなたは自分の生涯給料がどのくらいになるか計算してみたことはあるだろうか? かつては60歳が一般的だった定年退職年齢も、2013年の法改正により65歳まで引き上げられ、さらに2021年4月からは企業に70歳までの就労機会確保が努力義務として定められた。約50年間働くことになるが、これまでに得た給料と今後取得予定の給料を合わせると、どれくらいになるだろうか。
ウェブニュースメディアの東洋経済オンラインは生涯給料の全国版ランキングを調査、発表している。上位にランク入りしたのはどんな企業で、一体どれくらいの額なのだろうか。日本人の平均的な生涯給料とともに紹介する。自分の生涯給料と比較しながら見てみよう。
日本人の平均的な生涯給料は? 上位企業との驚きの格差
独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が発表している「ユースフル労働統計」の2019年版では、日本人の平均生涯年収を学歴別・男女別で公表している(60歳までフルタイム正社員で勤めた場合)。それによれば、最終学歴が高校卒で男性2億1,140万、女性1億5,020万円、大学・大学院卒で男性2億6,920万円、女性2億1,670万円だという。
では、2020年11月に東洋経済オンラインが「会社四季報」に掲載している上場企業3,218社を対象に調査し、公表した生涯給料全国トップ500社のうち、トップ3から見てみよう。(22歳で就職、60歳まで働いたときに取得できる推計値)
4位は不動産の保有賃貸業・投資開発事業を行い、東京に本社を置く「ヒューリック」で6億4,576万円。3位は不動産投資事業などを行い、大阪に本社を置く「日本商業開発」で6億8,703万円。平均年齢は41.8歳で平均年収は1,921万円だ。2位はセンサー機器の開発や製造・販売を行い、大阪に本社を置く「キーエンス」で7億3,683万円。平均年齢は35.6歳、平均年収は1,839万円。
そして、1位になったのはM&A仲介大手で東京に本社を置く、「M&Aキャピタルパートナーズ」で、なんと、13億4,379万円。平均年齢は31.2歳で平均年収は3,109万円。一般の平均生涯給料と比べると6倍以上、2位以下を圧倒的に引き離す驚きの額となった。
では4位以下にはどのような企業が名を連ねているのだろうか。注目すべきは日本の5大総合商社が全て11位までにランクインしていること。5位に「三菱商事(5億9,504万円)」、6位に「伊藤忠商事(5億7,907万円)」、9位に「丸紅(5億3,514万円)」、10位に「住友商事(5億2,537万円)」、11位に「三井物産(5億1,340万円)」となっている。
ちなみに、従業員数では国内1位で7万人以上の従業員数を抱える「トヨタ自動車」は、99位(3億3,570万円)にランクインしている。99位というと低いように感じるが、平均額に比べると断然高い金額だ。
さらに東洋経済オンラインは生涯給料の全国ワースト500社も公表している。残念ながらワースト1位を獲得してしまったのは、「トスネット(9,261万円)」、2位は「ショクブン(9,755万円)」、3位は「井筒屋(1億347万円)」だそうだ。
比べても仕方のないことだが、ベスト1とワースト1の生涯給料の格差をこうして数値として見ると、感慨深いものがある。もちろん、給料額だけがすべてでは決してないが、自分が約50年間働いて得る代価として、多いのか少ないのかは知っておいても良いかもしれない。
出典元:生涯給料「全国トップ500社」ランキング最新版【東洋経済オンライン】