これまでの銀行は近所のATMで記帳したり振り込みをするのが当たり前だった。しかし、2021年以降は紙の通帳が有料化されたうえ、支店がどんどん削減されて、これまでのようなフルサービスは受けられなくなるのをご存じだろうか? そこで今注目されているのが「ネット銀行」である。今回は、紙の通帳や支店が無くなっても困らない「ネット銀行」をお得に使いこなす方法を紹介しよう。
大手銀行のATMや支店は大幅に削減されている!
大都市に住んでいる人はみずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行といった大手銀行を利用している人が多いと思うが、長引く不況にマイナス金利、さらにはコロナ禍の影響で、大手銀行はかなり厳しい状況に追い込まれている。すでに大手銀行の普通預金金利は0.001%まで低下しているし、紙の通帳の有料化やATMと店舗の削減も急速に進んでいるのだ。
とくに、ATMは維持費が非常に高額なので、大手銀行は大幅に削減してコンビニATMに頼っている。もちろん、全国にある支店の整理も進んでおり、三菱UFJ銀行は2023年末までに2017年時点で515あった支店を40%(200拠点)減らし、残った支店も160拠点は簡素化される予定だ。みずほ銀行は2024年度に支店を130拠点削減したうえで、2026年度までに1万9,000人もの人員削減を計画している。また、三井住友銀行は400ある支店を残しながら、300カ所を小型の個人向け資産運用窓口に変更する予定だという。
2021年から紙の通帳は有料化されている!
実は紙の通帳を発行するには1通あたり年間200円の印紙税や印刷費などが必要になる。三菱UFJ銀行の場合は、約4,000万口座で年間80億円近い税負担が生じているという。そのため、大手銀行では2021年以降、紙の通帳の有料化が進められることになった。
たとえば、みずほ銀行では2021年1月から新規口座で紙の通帳を発行すると、1冊1,100円の手数料を取られるし、三井住友銀行も2021年4月から紙の通帳は年間550円の手数料が取られることになっている。三菱UFJ銀行は、まだ紙の通帳の有料化は発表していないが、2021年7月以降の新規口座で、2年以上利用がないと1,320円の口座管理料を取られる。この辺りの事情は→こちらで確認してほしい。
このように、今後、大手銀行のATMや支店はどんどん消えていき、紙の通帳も有料化されるため、もはや大手銀行で親切・丁寧なフルサービスを受けることはできなくなるのである。
筆者は20年ほど前からジャパンネット銀行(現PayPay銀行)を利用しており、現在はauじぶん銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行、ソニー銀行など、11のネット銀行を活用している。そもそもネット銀行には店舗も通帳もないが、印鑑は不要でスマホから簡単な手続きをするだけで口座を開設できる。キャッシュカードは郵送されてくるので、現金の入出金はコンビニATMを利用可能だ。もちろん、他行宛の振り込みも、時間を気にしてATMを探す必要はなく、自宅にいながらスマホのアプリで簡単にできるようになっているのだ。
ネット銀行のメリットはそれだけではない。通帳や店舗の負担がないので、金利は普通預金でも0.1〜0.2%と非常に高いところがあるし、ATM手数料や他行宛振込手数料も、ステージに応じて月数回まで無料になることが多い。ネット銀行の金利については→こちらで確認してほしい。
このように、スマホだけで完結するネット銀行は非常にスマートで、大手銀行と比べるともはやメリットしかないことがお分かりいただけるだろう。
スマホが苦手なら「ゆうちょ銀行」がある!
いかがだろうか? 大手銀行が紙の通帳を有料化し、ATMや店舗も削減されて近所にないのであれば、ネット銀行と同じ土俵で勝負することになる。となれば、今後は便利でお得なネット銀行がもっと注目され、2021年は「ネット銀行元年」と言われる年になることだろう。
それでも、やはりスマホでの操作は無理だという人には「ゆうちょ銀行」をオススメしたい。ゆうちょ銀行は全国に約2万4,000の窓口があり、ATMも約3万2,000台設置されている。しかも、今のところ通帳の廃止は発表されていないのだ。ただし、通帳の再発行には1冊につき1,100円の手数料がかかるので、紛失や盗難には注意しよう。
参考元:「ATMや店舗削減で「ネットバンキング元年」が到来! その「メリット」「おトクな活用法」を全解説」【現代ビジネス】