スマートフォンから利用ができる少額融資サービス「LINEポケットマネー」が、累計申込件数70万件を突破、累計貸付実行額も300億円以上となっているという。サービス開始から2年での急成長ぶりは、サービスの勢いを示していると言ってもよさそうだ。
しかし事業の成長は明るいニュースであることは間違いないのだが、少額ローンなどであっても“お金を借りている”ことに違いはない。あまりに慣れすぎてしまうと、そのユーザーが将来的に多額の返済に悩まされることにならないかが気がかりなところだ。
LINEポケットマネー、少額利用ユーザーの増加で申込件数が累計70万件突破!
LINEグループのひとつ・LINE Credit株式会社は9月6日、提供サービスのLINEポケットマネーがサービス開始2年で累計申込件数70万件を突破したと発表した。さらには「24ヶ月連続で残高が伸長し、累計貸付実行額が300億円を突破」したことも合わせて伝えている。
発表によれば同サービスの利用傾向は、LINEを通じていつでも返済可能なシステムや少額利用が可能なことから、「少額でこまめに借入・返済する方が非常に多い」という。また、2021年1~7月の間の実績では「1回の借入金額が3万円未満」という利用が70%以上を占めたと伝えている。また、現在では様々なECサイトが生まれ世の中でEC需要が高まった結果、「今買って、あとで払う」といった文化が浸透してきていることも背景にあるようだ。
いま必要な分だけを少し借りて(もしくはローンを組んで)購入し、余裕のあるタイミングでLINEを通じて返済できるという利便性は、現代の若者の志向とマッチしているのかもしれない。そうした面が評価された結果、今回の申込件数の伸長につながったと見てもいいだろう。
一方で気になってしまうのは、ローンなどを使った買い物は借金に近い性質を持っていることだ。クレジットカードでも同じことが言えるのだが、手元に現金が無くても購入できるシステムは、ある程度自制をしておかなければ身の丈以上の買い物につながってしまう。「お金足りないけど後で返せばいいや」と、なんでも勢いのまま購入してしまう習慣が身についてしまったとすれば、その人の未来はかなり不安なものへと変わっていくことになるだろう。
LINEポケットマネーユーザーのように、1回が3万円に満たない利用が主であれば大ケガにつながる可能性は低いだろう。しかし1回の買い物の金額が小さくても、繰り返し何度も使っていると次第に無視できない大きさになってしまう。また少額のローンに慣れてしまうことで、より高額なローンに対する心理的な障壁も軽減してしまう可能性も否定できない。
人生で本当に必要なのは「お金」ではなく「節度」なのかもしれない。普通の生活を送る人であれば、1回ローンを組んだら支払いが完了するまで次のローンを組まないくらいがちょうどいいとさえ言えるだろう。CMのフレーズではないが、「ご利用は計画的に」なのだ。
参照元:【LINE Credit】LINEポケットマネー、サービス開始2年で、 累計申込件数が70万件を突破、累計貸付実行額は300億円以上に【LINE】
※サムネイル画像(Image:linecreditcorp.com)