近年爆発的な勢いで普及し、多くの人が利用している「キャッシュレス決済」。テレビを見ていても、何らかのキャッシュレス決済サービスのCMを一度も見ないという日は無いのではないかと思うほどに世の中に浸透してきている。しかし世の中にはまだ「うちでは現金以外使えないよ!」という我が道を貫く硬派な(?)店舗があることも事実。果たしてそんな店舗はどのような理由でキャッシュレス決済を導入していないのだろうか…。
世の中で進むキャッシュレス決済、けれど店舗はいまだ未対応も多い
三井住友カードとSMBC GMO PAYMENTの2社は10月15日、6月に実施したインターネット調査「レジとキャッシュレス決済に関する調査」の結果を発表した。対象となったのは、全国の20代~50代男女256名と実店舗を保有している個人事業主250名で、消費者と店舗それぞれの視点からキャッシュレス決済に対する意識を調査した。
消費者に対する調査では、キャッシュレス決済の利用の有無を確認する設問で77.3%の人がキャッシュレス決済を利用していることが判明し、着実にキャッシュレス決済が世の中に浸透してきていることが判明した。また、利用しているキャッシュレス決済では「クレジットカード」が81.8%で他を圧倒。歴史あるクレカの存在感が高まっている様子がわかる。
消費者は80%以上が支持するキャッシュレス決済だが、一方で店舗の支持はそこまででもない。「導入している」は29.2%に留まり、「導入していないが導入したいと思っている」15.6%を含めても45%に満たず。「導入したいと思わない」が55.2%と過半数を獲得する結果となった。店舗としてはまだ半分以上が「キャッシュレスはいらない」と思っているらしい。
私たち消費者の視点からしてみれば「いちいち現金を出すより便利なのに、なんで導入しないの?」と思ってしまう。そんな理由を店舗に聞いた「導入していない理由」では、3位は32.8%で「初期費用が高い」がランクイン。さらに2位には「手数料が高い」(42.9%)。そして1位となったのは「手数料がかかる」で、54.8%と実に半数を超える店舗が挙げる結果となった。「高い」だけ金額面で折り合える雰囲気もあるが、「手数料がかかる」と手数料存在自体を否定されてしまっては、導入は夢のまた夢と言えそうだ。たしかに利用された売上の数%を持っていかれることを考えると、利益のあまり出ない小規模な個人店舗などは導入を見送ってしまうところが出てきても仕方ないことだろう。
また導入済み店舗でも「不満な点」として、1位「手数料がかかる」2位「手数料が高い」と、未導入の店舗と同じ感想が漏れてきているのも興味深い。現状キャッシュレス決済が使える店舗でも「手数料安くならないかな。あわよくば無くなってくれたらいいのに…」と思っているのかと考えると、今後小さな店舗でキャッシュレス決済を使いづらくなってしまうのは筆者だけだろうか…。
最近では、サービス開始から「利用手数料無料」のキャンペーンで導入店舗を拡大していったQRコード決済「PayPay」が、手数料を有料化することが話題となった。
正直消費者としては、手数料の存在や店舗の本音を深く知らずにただ「便利だな」と使い続けていたかったところだが、今後は馴染みのお店では現金払いも考えてみようかとも思ってしまった。
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