サラリーマンなら、毎年12月になると年末調整の書類を会社に提出しているはずだ。これは、アナタの給与から税金が天引きされているので、保険料や住宅ローンなどの控除証明書を提出することで、取り過ぎた税金が還ってくる仕組み(徴収される場合もある)。しかし、意外と忘れがちなのが、最近始めた「iDeCo(イデコ)」の控除証明書はがきだ。これを提出し忘れると、せっかく戻ってくる税金が目減りしてしまうぞ!
そもそも会社で行われている年末調整って何?
毎年、会社員や公務員などが11月後半から12月頭かけて提出している「年末調整」の書類。名前と住所しか書いていない人や、保険料や住宅ローンの控除証明書を添付する人もいるけど、あれっていったい何をしているのだろうか?
そもそもアナタの給与からは、社会保険料のほかにも所得税が天引き(源泉徴収)されている。しかし、その税金額は概算で正しくはないため、年末調整することで、正しい税金額を算出しているのである。
この年末調整によって、納めた税金が払いすぎの場合には還付(戻ってくる)されることになるし、ボーナスが多かったりすると、税金不足で逆に税金を徴収されることもある。
自営業やフリーターなどは、会社が年末調整をしてくれることはないので、翌年の3月15日までに自分で確定申告をする必要がある。そう考えると非常に便利な制度だが、先に会社に税金を徴収させておいて、あとで調整するというのは何とも不思議で日本的なシステムである。
年末調整で忘れがちな「iDeCo」の控除証明書
年末調整では、基本的に書類に名前や住所などを書き込んで提出すればいいが、控除対象となるものについては「控除証明書」を添付する必要がある。
サラリーマンで控除対象になる代表的なものには、「生命保険」と「住宅ローン」がある。さすがにこれらは説明するまでもないと思うが、つい忘れてしまいがちなのが「iDeCo(イデコ)」の控除証明書はがきだ。
そもそも、iDeCoとは「個人型確定拠出年金」のこと。会社員や自営業者、フリーターなどが自分で将来のために、毎月決まった額を投信などで積み立て、老後に年金として受け取る制度である。令和3年9月時点では、約217万人が利用しているという。
iDeCoについては→こちらで確認してほしいが、iDeCoの掛け金は全額が所得税控除になり、運用益も非課税、老後に受け取る年金も所得税控除が受けられるので3重にお得なのだ。
iDeCoの掛け金は全額が所得税控除の対象になる!
iDeCoは公的年金と違いあくまでも投資なので、元本保証はなく、必ず儲けが出るわけではない。とはいえ、投資信託の長期積立であれば株やFXに比べると低リスクで比較的利益が出やすい。
そして、何よりも将来の運用益が仮に0円であったとしても、その間の掛け金は全額が所得税控除の対象になるし、将来、お金を受け取るときも所得控除が受けられるのが凄い。
とくに、掛け金の控除金額に関してはiDeCoナビでザックリした概算金額が計算できる。これによれば、年収500万の人が毎月2万円の掛け金を拠出していると、約4万8,000円の税金が戻ってくることが分かる。
そのiDeCoの掛け金の控除を年末調整で受けるには、国民年金基金連合会から送られてくるiDeCoの控除証明書はがき「小規模企業共済等掛金控除証明書」を提出する必要がある。10月末には届いているはずなので年末調整のときに必ず提出しょう。
いかがだろうか? 年末調整で生命保険や住宅ローンの控除証明書は忘れなくても、最近始めたばかりのiDeCoの控除証明書はつい忘れてしまいがちだ。捨てずにちゃんと提出しよう。
なお、iDeCoの控除証明書を今年提出し忘れても大丈夫。はがきを捨てずに持っていれば、翌年に確定申告することで、税金の還付を受けることができるぞ。
参考元:「忘れると4万8000円の損」年末調整で最近提出が増えている”第3の添付書類”【PRESIDENT Online】