コロナ禍による不況で、2020年に住民基本台帳に記録されている人、つまり0歳の赤ちゃんから高齢者の皆さんまで一律で10万円が給付されたのは記憶に新しいところだ。そして2021年冬から2022年春にかけて、また10万円が給付されそうなニュースが飛び込んできた。しかし2020年の給付金とはなんだか様子が違っているのだ。
一律現金給付じゃない!なぜか来年支給分は“5万円分クーポン”に化けそう
今回の給付対象者は「18歳以下」で、金額は10万円。前回の給付金と大きく違うのは年齢制限があることと、「5万円は現金で、残りは“5万円分のクーポン”」という給付のされ方になる、という点だ。まだ議論が行われている段階であり確定はしていないものの、クーポンは「来春の入学シーズンに向けて、教育や子育てに使途を限定した」ものとなるようだ。
ネットでは「クーポン面倒。使えるところ探さなきゃいけないし」「子育て世帯なら給食費無料の方がよっぽど助かるけどな」という困惑の声もあるが、「クーポンをつくるのにどれだけの経費がかかるの?」「某マスクと一緒で、クーポンを印刷だかアプリだかを作るお友だち企業にお金を回すのは熱心だけど、国民に出すお金は渋るんだな」という怒りのコメントが圧倒的な数を占めている。
しかし、日本銀行券(いわゆる紙幣)という“万能クーポン”があるのに、なぜわざわざクーポン?という疑問は、筆者も感じた。しかし、よく考えてみると理にかなっている面もあるということがわかってきたのである。
2020年に年齢関係なく給付された特別定額給付金10万円は現金、というか指定の口座への振り込みで行われた。4人家族なら40万円だから、コロナ禍でボーナスカット、月収減、という家庭にとっては救世主といえる額だった。しかし、「じゃあそれを何に使いましたか」と聞かれたら、「とりあえず貯金」という人も少なくないのではないだろうか。給付金は家計を助けるだけでなく、「日本の経済を回す」ことも大きな目的の一つだ。となると“貯金できない”クーポンという給付の仕方は賢いやり方だという見方もできる。
ただ、ネットでは、給付対象外と見られる人からの「納税だけしてもらえない人もいる。5万円でも現金入るんだからいいじゃん。旨いものでも食いに行って経済回して」「クーポン何に使えるの?って、もらって使う気満々じゃん。もらえるだけいいと思ってよ」という声も。
確かになんだかんだ18歳以下の子どもには総額10万円分が手に入るのだから、給付を受けた人はもったいぶらずにちょっといい旅館への旅行や以前から狙っていた家電を買うなどぜひ実行してもらいたい。
給付対象外の人からの「お金を使って!」というのは、どんな政治家より唯一説得力のある言葉かもしれない。
参照元:18歳以下に10万円相当、5万円はクーポン 茂木氏は一律給付慎重【朝日新聞デジタル】