世界初のSMS(ショートメッセージ)がNFT化、1,380万円で落札! NFTってなに?

世界で初めて送信されたSMS(ショートメッセージサービス)が、NFT(非代替性トークン)と呼ばれるデジタル資産としてオークションにかけられ、10万7,000ユーロ(約1,380万円)の値がついた。世界初ということで高値がついたわけだが、デジタルデータといえば誰でも簡単に情報にアクセスでき、コピーできるのが特徴だ。オークションに出品されるものは通常、唯一無二であるから高値が付くわけで、デジタルデータがオークションにかけられるとはどういうことなのだろうか。どうやらNFTというものに理由がありそうだ。

デジタルデータといえばコピーできるものだが、唯一無二のデータである証明をするNFT

「メリークリスマス」というメッセージは、これまでにも無数に世界中を飛び交っただろう

今やさまざまな方法で知人・友人へメッセージが送れる。が、ほんの30年前までは、連絡をとる手段といえば電話が主流だった。文字を送るには手紙かはがき。どこかで待ち合わせをしようものなら事前に目印となる場所をお互いに確認し合う必要があった。ところがポケベルが普及し、携帯電話が普及し、スマホが普及すると、例え見知らぬ相手でも簡単にメッセージが送れるように。おそらく毎日、誰もが何回もメッセージを送り合っているだろう。

ところで世界で初めて送られたSMS(ショートメッセージサービス)は、「メリークリスマス」という一言だった。英単語にして2つというわけだが、この単語自体は世界中で無数に飛び交うメッセージだろう。では世界初のSMSに高値が付く理由と仕組みはどうなっているのだろうか。

NFTとはNon-Fungible Tokenの略。日本語に訳すと「非代替性トークン」だ。他に代替することができないブロックチェーン上で発行された、送信権が入った唯一無二のデータで、デジタル上で資産の鑑定書や所有証明書としての役割を果たしているという。デジタルデータで作られたアート作品などに利用されており、「1点もの」であることを証明されているからこそ、人々は安心して高値を支払えるというわけだ。

NFTはマネーロンダリングの温床になる可能性も。早急なルール策定が必要だ

NFTには非代替性の他に、移動ができることや価値が可視化できること、誰でも作成できること、さまざまな付加機能をデータ自体にプログラムできることが特徴として挙げられる。デジタル上の資産といえば、暗号資産をイメージする人もいるかもしれないが、大きな違いは非代替性だ。通貨と同じように一つひとつにオリジナル性はなく、単純に数字の大きさが価値に比例する。記念コインなど特殊なコインでなければ、500円玉はどれも500円の価値であるということだ。

今や大注目のNFTだが、法的あるいは取扱いのルールがまだ明確的に定められていない。マネーロンダリングの観点からも注意が必要とされており、利用の広がりを妨げる可能性は否定できないだろう。しかし、日本でも複数の企業がNFT市場への参入を検討していると発表するなど、今後もインターネットビジネスに大きな影響を与えることは明らかだ。

現実世界にある「モノ」と同じように、デジタルデータも人々の「所有欲」を満たすものの一つになる時代は近そうだ。

今後VRやARがさらに発達していき、現実世界にはないけれどデータとして存在するものを現実のお金でやり取りする未来が訪れたとしたら…。もはやファンタジー作品のような世界になるのかもしれない。

参照元:世界初のショートメッセージ、1380万円で落札 NFT化で競売【ロイター

※サムネイル画像(Image:Rokas Tenys / Shutterstock.com

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