イーロン・マスク氏によって米国時間10月27日に買収されたSNSサービス「Twitter」が、驚くべき速度でサービスを変化させている。米国時間11月5日にはiOS向けTwitterがアップデートし、有料プランである「Twitter Blue」を利用すれば誰でも認証バッジを表示することが可能になった。現時点では日本は対象外で、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスのユーザーに限定したものとなっているが混乱を招きそうだ。
「Twitter Blue」加入で認証バッジがもらえる
Twitterの認証バッジとは、ユーザーアカウント名の横に表示されるブルーのチェックマークを指す。Twitterが定めたプロセスを経て承認される必要があったため、これまでは芸能人や政治家などの著名人などが本人であることを示すマークとして「なりすまし」の防止に役立ってきた。
しかし、今後は月額7.99ドルを支払えば誰でも認証バッジを表示することが可能になる。すでに認証バッジを持っているユーザーでも利用を続けるためには「Twitter Blue」への加入が必要となり、加入しなければ認証バッジを失う。つまり認証バッジは有料プランユーザーか否かのみを示すものとなり、アカウントが著名人本人のものであるかを見分ける機能は果たさなくなると断定してよさそうだ。
著名人や企業には別の「認証」を用意?
マスク氏は、青い「認証済みバッジが付いているか、付いていないかのシステムはでたらめだ」と言い、課金すれば誰でも手に入れられる特典に変えた。しかし、そのことにどれほどの意味があったのかは謎だ。
というのも、著名人や企業など従来の認証済みアカウントには、新たな別の“認証”を与えるという動きがあるという。マスク氏自身も「政治家でそうなっているように、著名人には名前の下にもうひとつのタグが付く」と発言している。結局は、著名人しか手にできない別の認証が生まれただけ……と思ってしまう。
また「なりすまし」対策についてマスク氏は、他人になりすましたアカウントはこれまで行なっていた事前通告を省略して、永久に凍結する方針を明らかにした。ユーザーに広がる懸念への対応だと思われるが、マスク氏はこれまでアカウントの凍結はなるべく避けるべきという考えを示しており、実際にどの程度の効果を持つかが問われる。
現時点で有料プランの「Twitter Blue」がない日本は対象外だが、今回の騒動でTwitterとの付き合い方を考え直すユーザーは日本でも少なくない。
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