ツイッターにおける一部のアカウントには、青色の「認証バッジ」と呼ばれるものが付与されている。認証バッジとは、著名人や公的な機関、また有名な団体などが、ツイッター上で「本物」であるということを示すマークであり、なりすましが発生しやすいSNS界隈においては、アカウントの信憑性を保証するシステムだ。
しかし、昨今のアップデートによって、この認証バッジを付与されたアカウントが、ツイッター上でユーザー名を変更できなくなるという事態が発生している。
認証バッジが貰える「Twitter Blue」とは!?
これまで認証バッジの付与対象となっていたアカウントは、ある程度の知名度があるユーザーのみだったが、今回「Twitter Blue」で認証バッジを新たにゲットしたユーザーたちも、同じく一度決めたツイッター名が変更できないという現象に見舞われているらしい。
なお「Twitter Blue」とは、ツイッター上でプレミアム機能への限定アクセス権を得ることができる、月額制のサブスクリプションのことである。「Twitter Blue」に登録すれば、審査なしで認証バッジを貰えるという特典があったため、全世界で14万人以上が新規加入したそうだ。
2022年11月現在では、アメリカ・オーストラリア・カナダなどの国において、「Twitter Blue」のサービスはスタートしているが、まだ日本国内におけるサービスの提供時期は未定となっている。
「Twitter Blue」に加入することで、具体的に何ができるのかというと、ツイートしてから最長30秒間は投稿の取り消しが行える機能や、お気に入りのツイートをフォルダわけして管理できる機能、「Twitter Blue」メンバー専用のカスタマーサポートを利用できるなど、ユーザーにとって嬉しい特典が満載だ。
先ほどご紹介した認証バッジの付与も機能のひとつだったのだが、開始早々なりすましが続出し、現在は新規加入の受付を停止する状況となっているが、Twitterでイーロン・マスク氏11月29日頃再開すると発表した。
ツイッター名を固定する背景は?
海外では「Twitter Blue」の登場により、認証バッジの保有者が大幅に増えたわけだが、これと同時に仕様の変更も行われたらしく、認証バッジのあるアカウントは、いきなりユーザー名を変えられなくなってしまった。
普通に考えれば、著名なアカウントがコロコロ名前を変更するのはたしかにおかしい。しかし、日本のツイッターユーザーにおいては、ユーザー名の後ろになんらかの宣伝を入れることが、自然発生的にひとつの使い方として定着していたため、書いた文章がそのまま更新できなくなってしまった人が続出した。
自身のアニバーサリーイヤーをファンに伝えるために、名前の後ろに「@25周年感謝!」と入れていた某有名アーティストなどは、この件に関して「変えられません…もうずっと25周年のままで通します。」と、力なくツイートしている。
認証バッジがあると名前が変更できなくなるという仕様は、事前になんらかの告知があったわけではないので、気づくといつの間にか変えられなくなっており、詰んでしまったというユーザーも多いようだ。
外国ではユーザー名に宣伝を入れる習慣はない?
ツイッターは米国発のSNSである。そのため、日本とは文化が異なるので、名前の欄を利用してフォロワーになんらかのメッセージを発信するという発想はないのかもしれない。たしかに筆者の大好きな歌手であるテイラー・スウィフトも、イギリスの女優エマ・ワトソンも、カナダの歌姫アヴリル・ラヴィーンも、ツイッター名は非常にシンプルだ。
こうした名前固定の背景には、恐らくなりすまし対策や、認証バッジ付きアカウントの転売防止などが関係しているのだろう。今のところ、すでにある認証バッジを取り下げてもらうことはできないようなので、名前を変えられなくて困っているという人は、仕様の再変更を待つしかないようだ。
今後、ツイッター社がどのような対応を取るのかはまだわからないが、認証バッジを付与されたアカウントに関しては、今までよりも管理を厳重に行っていこうとしているのは明確である。
イーロン・マスク氏の指導のもと、こうした細かなアップデートを重ねることで、少しでもツイッターの治安をよくしていこうと、運営側も試行錯誤の途中なのかもしれない。
※サムネイル画像(Image:Emre Akkoyun / Shutterstock.com)