イーロン・マスク氏による買収後、Twitterが混乱を極めている。従業員の大量解雇にはじまり、認証マーク有料化、11月20日にはアメリカ連邦会議乱入事件を扇動した恐れがあるとして永久凍結されていたアメリカ前大統領トランプ氏のアカウントを復活させるなどして世間を騒がせている。そんなTwitterに見切りをつけたユーザーの移住先として注目されているのが「Mastodon(マストドン)」だ。
「Mastodon(マストドン)」ってなに?
Mastodonは、2016年にドイツのプログラマーEugen Rochko(オイゲン・ロホコ)氏が立ち上げたSNSだ。オープンソースの分散型ソーシャルネットワークで、誰もがサーバーを立ち上げることができる。Twitterと異なる点は多くあるが、運営者によってサーバーの運営方法や目的、ユーザーの雰囲気まで変わってくる点は特筆すべきことだろう。ユーザー名を登録する際は興味やエリアに合うサーバーを選ぶ必要があるが、日本語ユーザーは日本のMastodonブームを牽引してきた「mstdn.jp」を入り口にすることが多い。
公式Twitterでは、イーロン・マスク氏をディスているかのようなツイートも
Twitterでいうところのツイートは、一般的に「トゥート(toot)」と呼ばれている。Twitterと同じミニブログ形式だが、投稿できる文字数は基本500文字とやや多い。Twitterの「いいね」にあたる「お気に入り」、「リツイート」にあたる「ブースト」があるなど使い勝手は似ている。トゥートごとに公開範囲を決められたり、投稿内容によってトゥートや画像にワンクッション挟んだりできるといった細かな機能もある。
Mastodonにはタイムラインが3つ
閲覧する際の使い勝手は、Twitterとは少し異なる。Twitterでは1つのタイムライン上にフォロワーのツイートやおすすめのツイートが混在するが、Mastodonでは「ホーム(HTL)」「ローカル(LTL)」「連合」の3つのタイムラインがある。ホームには、自分がフォローしている人のトゥートのみが流れる。ローカルには自分が登録しているサーバーのトゥートが流れ、さらに連合には登録するサーバーと交流のあるサーバーのトゥートが流れる。また、連合にはMastodon以外のSNSのトゥートが流れることもあるという。
さらに、MastodonはTwitterと違いバズりを目指していないSNSである。検索はハッシュタグのみでしかできず、コメント付きでブーストできないなど、バズらない代わりに炎上する可能性も低そうである。
ユーザー登録したてのMastodonは混沌としているため、心地いいSNS空間にするまでに時間はかかりそうである。しかしTwitterの混迷がさらに深まれば、MastodonがTwitterにとって代わるSNSになることも十分あり得そうだ。
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※サムネイル画像(Image:davide bonaldo / Shutterstock.com)