NTTドコモが運営する「モバイル研究所」がシニア世代のメール・SNS利用状況についての調査結果をレポート。その結果、LINEの利用率が調査開始以降、初めてメールの利用率を上回ったことが判明した。そのほか、男女間で利用しているSNSに差があることもわかった。
LINEの利用率はここ5年で2倍以上に
NTTドコモが運営するモバイル研究所が8月28日、「シニアのメール・SNS利用 LINEがメールを初めて上回る」としたレポートを発表。調査は2023年1月に訪問留置法(調査員が訪問し調査を承諾頂いた方に紙で質問票を配り後日回収)で行われ、全国・60~79歳男女から回答を得た。有効回答数は1,350。この日公開されたレポートでは、シニア世代のメールとSNSの利用状況について明らかになった。
メールとSNSの利用状況について、調査以降初めてLINEがメールを上回る結果に。LINEの利用率は2018年時点では28%だったが、その後も右肩上がりを続け、2023年には76%に。一方で、メールの利用率は下がっていないことから、同研究所は「多くのシニアがメールとLINEを併用していることがわかる」と分析している。
LINEの利用率には男女差があることも判明
調査の結果、利用率には男女差があることも判明。LINE、Instagramは女性が、メール、Facebook、Twitterは男性がそれぞれ高かった。同研究所では今年6月に「男性の方が女性よりもパソコンの利用時間が長い。女性は男性よりもわずかにスマホの利用時間が長い」という調査結果も報告しており、「利用している機器の違いがメールとLINEの差に関連しているのでは」と推測している。
モバイル社会研究所は、自由で独立した立場から、携帯電話のもたらす光と影の両面を広く解明することを目的に設立された、NTTドコモによる調査機関。モバイル・コミュニケーションの現在および将来への社会・文化的影響を研究・分析し、世の中に向けて広く研究成果を発信するとしていて、さまざまな調査結果を公表している。携帯電話の普及にともないメールは平成を代表するコミュニケーションツールとなったが、そのメール主流世代がLINEへと移っていく“真っただ中”を切り取れたのは、日々モバイル業界の変化を追う同研究所だからだろう。
日本市場におけるLINEの快進撃。はたしてどこまで続くのだろうか。
出典元:【モバイル社会研究所】
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