デジタルネイティブとも言われるZ世代は、SNSを利用したコミュニケーション能力にも長けている人が多いと言われますが、新しいSNSとはどのように付き合っているのでしょうか。調査結果を見ていきましょう。
Z世代が最も頻繁に利用しているSNSは「Instagram」
BeRealは、Z世代を中心に“映えないSNS”として人気のアプリです。毎日ランダムな時間に通知がきて、2分以内に投稿しなければ他のユーザーの投稿を見られない仕組みになっており、急いで撮影した写真も加工できないようになっています。そのため、リアルな写真をシェアすることになり、これがとてもウケているようです。
そんな状況を受けて、株式会社マーケティングアプリケーションズは、Z世代(15歳~25歳)の男女4252人を対象に、「BeReal」を含む複数のSNSについて、その利用状況などに関する調査を実施しました。
まずは、4252人全員に対して「BeReal」「Instagram」「TikTok」「X(旧Twitter)」「Facebook」の5つのSNSについて、それぞれの投稿状況を尋ねています。すると、「月に1回~毎日数回の頻度で投稿している」という回答が最も多かったのは「Instagram」の39.8%でした。次いで2位が「X(旧Twitter)」で34.9%、3位が「BeReal」で15.0%、4位が「TikTok」で16.3%、5位が「Facebook」で10.8%でした。
定期的に投稿している人の割合が3割を超えたのは「Instagram」と「X」の2つで、これらがZ世代の生活に浸透している様子がうかがえます。
毎日投稿している人が最も多かったのは「BeReal」
続いて、それぞれのSNSを利用していると回答した人を対象に、投稿状況について質問しています。その中で、「毎日1回~数回投稿する」と回答した人の割合が最も高かったのは「BeReal」(n=1191)の29.0%でした。2位の「Instagram」(n=3212)は13.4%、3位の「TikTok」(n=2465)は9.7%だったので、毎日利用している人の割合は2位の「Instagram」と2倍以上の差がある「BeReal」が圧倒的に多いということがわかりました。
また、「月に1回以上投稿している」と回答した人も「BeReal」が最も多く63.4%、続く「Instagram」が52.6%、3位の「TikTok」は半数を下回る27.8%でした。見るだけでも楽しめるInstagramやTikTokと違い、BeRealは投稿しないと他のユーザーの投稿を見られないという特徴があるため、自然と毎日投稿する流れができあがっているようです。
SNSの中でユーザーが最もアプリからの通知を意識しているのは「BeReal」
次に、それぞれのSNSに「月に1回~毎日投稿する」と回答した人600人を対象に、「それぞれのSNSからのプッシュ通知が気になるか」を質問。すると、「とてもあてはまる、ややあてはまる」と回答した人の割合は、「BeReal」が63%、「Instagram」が56%、「TikTok」が55%という結果となりました。
InstagramやTikTokの場合は友達からメッセージが送られてきた際などに通知がくる仕組みになっています。しかし、BeRealにはそのようなメッセージ機能はありません。それにも関わらず、通知が気になる人の割合が最も多かったのは、通知から2分以内に投稿しなければならないというルールによるものでしょう。さらに、通知から2分以内に投稿するともう2枚撮影できることから、時間内に撮影したいというユーザーは通知を意識してしまうようです。
「BeReal」ユーザーの約半数が授業中やアルバイト中にも撮影
同じく、それぞれのSNSに「月に1回~毎日投稿する」と回答した人600人を対象に、「授業中やアルバイト中に撮影したことがありますか?」と質問したところ、「ある」と回答した人は、「BeReal」が49%、「Instagram」が28%、「TikTok」が40%でした。
やはり、通知からのタイムリミットがあるBeRealは他のSNSに比べて、望ましくないタイミングであってもつい撮影してしまうことが多いようです。いつ通知がくるのかわからないというスリルが味わえるのも、BeRealの魅力の1つなのかもしれません。
写真系SNSがZ世代の対人関係に影響
さらに、それぞれのSNSに「月に1回~毎日投稿する」と回答した人600人を対象に、「そのSNSがきっかけで対人関係に影響が出たことがありますか?」と質問すると、良くも悪くも「影響が出た」と回答した人は「BeReal」が65%、「Instagram」が57%、「TikTok」が72%という結果となりました。
具体例を見ていくと、ポジティブな影響として「BeRealユーザーは、友達の日常を覗くことができるため一層仲が深まった」(BeReal)、「みんなの日常が知れて話題ができた」(BeReal)、「新しい友達作りのきっかけになった」(Instagram)、「友達とTikTokのダンスをとって仲を深めることができた」(TikTok)などのコメントが寄せられていました。
一方、ネガティブな影響については、「1人だけ行ってないとかで雰囲気が悪くなる」(BeReal)、「親しい友達のリスト外になっていることを知った時傷ついた」(Instagram)、「身バレした」(TikTok)など、日常をシェアしたり、幅広いユーザーに見られたりすることがトラブルの原因になってしまったというエピソードが寄せられています。
さらに、リアルを切り取るBeRealならではの、「授業中に通知が来ることが多々あるので通知を切ろうと思えた」「ノーマルでも可愛くあろうと思えるようになった」「無加工自撮りに慣れた」といった意見も見られました。オトナライフでは他にもBeRealユーザーが感じるBeRealの魅力について紹介しているので、気になる方はチェックしてみてください。
SNSによって広がる世界があり、Z世代ならではの交友関係を築いている様子がうかがえる今回の調査結果。特にBeRealの流行により、常に通知を意識し、いつでも撮影できるように準備しておくなど、生活にも影響を及ぼすような変化を感じている人もいるようです。良くも悪くも影響があることを自覚している人が多いため、SNSに振り回されることなく、便利なツールとしてうまく使いこなしていきたいですね。
出典元:【株式会社マーケティングアプリケーションズ】
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