若年層で全くSNSを利用していないという人は少数だと思うが、シニアの利用割合はどれくらいだろうか。モバイル社会研究所が2024年1月、全国の60~84歳の男女1130人にSNS利用の傾向を調査した。LINE、Facebook、X、Instagramにおいて何を利用しているか、また外出頻度との関係性など、気になる調査結果を見ていこう。
シニアのLINE利用率は78%で年々増加傾向に
全国のシニア(60~84歳)を対象にした調査によると、最も多く利用されているSNSはどの年代もLINEが圧倒的な割合であった。60代女性は93%、60代男性が79%と最も多いが、70代女性は75%、70代男性は64%、80代女性は45%、80代男性は38%と続き、他のSNSに比べてダントツの利用率だ。LINEは個人間のやりとりが主なので、コミュニケーションの手段として使われるのが大きな理由だろう。
昨今は行政サービスや自治体の連絡手段としてもLINEが用いられており、一般的なSNSとしてシニアも抵抗なく利用されているのだろう。それを裏付けるようにLINEの利用率だけが年々伸びており、2024年は78%に。2022年まではメールの利用率のほうが高かったが、2022年を境にLINEが上回っている。
では、他のSNSの利用率はというと、Facebook、X、Instagramどれにおいても60代男女が他の年代を上回っている。60代男性はFacebookが20%、Xが17%、Instagramが16%とほぼ同じ利用率であるが、60代女性はInstagramが21%なのに対し、Facebook・Xともに10%という結果となっており、Instagramの利用率が抜きんでている。
種類を問わず、SNS利用者は外出頻度が高い
最後に、各SNS利用者と未利用者に分けて外出頻度と比較したところ、サービスに関係なくSNS利用者のほうが外出頻度が高いという結果になった。最も数値の差が大きかったのが、Instagramの70代・80代の利用者68%と未利用者38%だ。Instagramでは外出先の風景や食事メニュー、趣味などの行動を写真に残す傾向があるため、利用者の外出頻度が高いというのは納得の結果かもしれない。
XやFacebookで何か発信するにしても、外出先のほうがネタが多いといえる。また、自身が発信せずとも、誰かの投稿を見て自分も出かけたくなる衝動にもつながっているのかもしれない。日々を活発に過ごしているシニアはSNSの利用にも前向きなのだろう。
出典元:【モバイル社会研究所】