SNSなどのネット用語「禿」「定期」ってなに? おじさんなら分かる20年前の2ちゃん用語だった!?

これまでネットではさまざまなスラングが生まれてきた。とくに2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)などの掲示板だけで通じる隠語が、数多くのネットスラングの語源となってきたが、今でもおじさんたちの間ではSNSで普通に使われている。そこで今回は、ネットに溢れる代表的なスラングの意味を解説しよう。

突然「禿」「()」とメッセージが来た! これ何?

 アナタのところに突然「禿(はげ)」というメッセージが来たことはないだろうか? もし、相手から罵倒される状況にないなら、それは“激しく同意する”という意味である。「禿」は、もともと「激しく同意」→「激同」→「禿同」→「禿」と変化していったもので、決して頭が薄いことを揶揄しているわけでないのである。
 次に、「()」だけを付けている場合は何を意味しているのだろうか? 実はこれ、多くの場合で(笑)の“笑”を略しているのだ。笑いを意味するネットスラングには「w」や「草」などもあるが、()は、これらと同じ意味であると考えてよい。ところが、文章の後ろではなく単語の後ろに付くと意味合いが少し変わってくる。たとえば「有識者()」「ビーガン()」「作家()」なども(笑)を略しているが、やや嘲笑の意味合いが出てきて否定的な感じになるのである。最近では「似非(えせ)」や「なんちゃって」の意味合いで付けることもあるようだ。いずれにせよ、下手に()を使って無用な火種をまかないように。

【()の使用例】
「こんなだから有識者()とか言われるんだよ」※嘲笑する意味で使われている
「私ビーガン()だから、お肉はちょっと」※「なんちゃって」というニュアンスが含まれる

「禿」は“激しく同意”が変化したもの。決して禿の人を揶揄しているわけではない

「定期」「ニキ」「香具師」「kwsk」「ksk」「今北産業」って何?

 SNSでよく見かける「定期」。これはもちろん定期券のことではなく「いつも定期的に〇〇している」という意味。たとえば、「タンスの角に足の小指ぶつける定期」「エコバック忘れる定期」といった具合に使われている。
「ニキ」は「兄貴」の略語で、やや尊敬の念を込めて使うことが多い。もともと野球実況スレッドで流行ったスラングなので、とくに野球関連でよく使われる。「坂本ニキ神!」「さすがアライニキの代打起用!」などのように使用されている。
 また、掲示板特有のスラングも多い。もはやネットでも死語になっている「香具師(やし)」は、祭や縁日で見かける“テキヤ”のこと。掲示板で特定の人を指す「ヤツ」の意味で、「ヤツ」→「ヤシ」→「香具師」と変化していった。
 ほかにも「kwsk」と「ksk」、「今北産業」が有名。「kwsk」は“詳しく(kuwashiku)”の略語で、もっと詳しく説明してほしいときに用いられる。「ksk」は“加速”という意味で、掲示板のスレッドを早く伸ばすために書き込んだものが語源となっている。そして「今北産業」は“掲示板にいま来たので分かりやすく3行で説明して”を略したもの。「今来たので3行で説明して」→「今来た3行」→「今北産業」と変化したのである。

(Image:Marvin Minder / Shutterstock.com)

「香具師(やし)」とは祭や縁日で見かける“テキヤ”のことだが、掲示板では特定の人を指す「ヤツ」が変化したものである(写真と文章は関係ありません)

おじさんなら分かる20年前の2ちゃん用語

 いかがだろうか? 今回紹介したネットスラングは、20年ぐらい前の2ちゃんねる掲示板全盛期によく使われていたものばかり。筆者のような40代のおじさんでないとすぐに意味は分からないであろう。SNS全盛の現在では、これらのネットスラングを使う機会も少なくなったが、それでもたまにTwitterなどで「ヌルポ」「ガッ」といったやり取りを見かけると、やっぱりおじさんの心はちょっとほっこりしたりするのだw。

「ヌルポ」「ガッ」というまったく意味のないやり取り。「ヌルポ」と入力したら「ガッ」と返信するのが礼儀だ。これは、JAVAのエラー表示「NullPointerException(不正なポインタ)」が「ヌルポ」の語源で、その表示に「ガッ」とツッコむイメージである

文=中川久/フリーライター

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