コロナ渦によるおうち時間の過ごし方でSNSを触る機会が増加した人も多いと思われるが、TikTokを欠かさず見ているという30代サラリーマンははたしてどのくらいいるだろうか。たとえば近い将来、30代サラリーマンが、新卒社員にYouTubeの話題を振ったら「YouTubeなんてもう古いですよ」と言われてしまうかもしれない。「YouTubeの流行にもついていけていなかったのに、もうTikTokが当たり前になっているなんて…」と、さらなるジェネレーションギャップに傷つく時代がすぐそこまで来ている予感だ。Z世代と呼ばれる彼らのTikTokに関連したデータが興味深かったので、見てみよう。
TikTokで毎日240本以上の動画閲覧
”ジェネレーションZ世代”(1995年以降生まれの若年層)を対象としたシンクタンク組織のZ総研がZ世代のTikTok事象に関する調査を発表している。1990年代後半~2000年生まれの「Z世代」をインターネットにて(全国、12〜15歳299名、16〜18歳387名、19〜22歳84名、23歳〜25歳10名)計女780名を調査したようで、TikTokに関する興味深いデータが見受けられた。
まず、「日頃どれだけTikTokを利用しているか」の調査。他のSNSに比べて若年層の多いTikTokだが、56.9%のZ世代が1時間以上は見ているという結果に!TikTokは動画の長さが15秒から1分と、とても短い動画を作成、投稿できる動画プラットフォーム。なので、1時間以上TikTokを閲覧しているということは、15秒の動画であれば、1時間あたり240本もの動画を毎日視聴する事に!「一つひとつの動画が短いので、見ているうちに気付いたら時間が経っていた」というパターンも多いそうで、動画編集アプリとして、利用しているので時間を要する点も理由にあるようだ。
また、興味深かったのは『メイクやスキンケア、ダイエットなどの美容系の情報はTikTokとYouTubeどちらを参考にしていますか?』という設問。「TikTok」、「どちらかといえばTikTok」と答えた割合は42.2%だった。あれ、YouTubeにてこれら美容系の情報は、芸能人も参入している人気コンテンツ。長くても1分以内に納めないといけないTikTokに比べて、長尺動画をアップできるYouTubeが圧倒的に有利だと思っていたが、ずいぶんと競っている。
そして、『その他のさまざまな情報(オタ活や食べ物、音楽など)ではTikTokとYouTubeどちらを参考にしていますか?』という問いに、60.8%のZ世代が「TikTok」・「どちらかといえばTikTok」との答え。まさかのYouTubeを抜かしている。短い動画で一瞬で良さがわかるものや惹かれるものはTikTokでリサーチするということか。この結果を見ると、効率的な情報収集がZ世代ならではの特色といえそう。
昨年音楽界を席巻したYOASOBIの「夜に駆ける」や瑛人の「香水」もTikTokからブームが広がっていった。これからの流行は、大半がTikTokから生まれることになるのでは。TikTokにヒットの卵がたくさん眠っているとなれば、30代サラリーマンも気になってくるのではないだろうか。一過性のブームで終わりそうにないTikTokに注目が集まる。
参照元:リアルZ世代のトレンドを調べるZ総研トレンド通信〜Z総研トレンド通信Vol.7『TikTok編』〜【Z世代総合研究所】